経口避妊薬と乳癌および卵巣癌の発症リスクとの関連

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BRCA1/2遺伝子変異を持つ女性群が経口避妊薬を使用することによって、卵巣癌の有意な発症リスク低下および有意ではないものの乳癌の発症リスク増加がみとめられたという研究結果がJournal of Clinical Oncology誌に発表された。これは、一般集団にみられるリスク水準と類似している。

BRCA1/2という二つの遺伝子の家族性突然変異は、乳癌および卵巣癌の生涯発症リスクを非常に高めることがわかっている。これら二つの遺伝子変異は、母方あるいは父方の家系を通じて伝わることがある。

研究者らは、家族歴もしくはBRCA1/2遺伝子変異があることによって、卵巣癌や乳癌の発症リスクが高い女性群における経口避妊薬使用と卵巣癌および乳癌の発症リスクとの関連を評価するメタ解析を行った。本分析には、BRCA1/2遺伝子変異のある女性群において卵巣癌発症リスクを評価した6件の研究データと、乳癌発症リスクを評価した8件の研究データが用いられた。

分析の結果、BRCA1/2遺伝子のいずれか、あるいは両方の遺伝子変異保有者における経口避妊薬使用は、卵巣癌発症リスクの有意な減少に関連することが示された。経口避妊薬の使用未経験者群と使用経験者群との比較で得られた卵巣癌発症リスクの要約オッズ比は、BRCA1遺伝子変異保有者群内で0.55(95% 信頼区間[CI] = 0.47–0.66)、BRCA2遺伝子変異保有者群内で0.65(95% CI = 0.34–1.24)、BRCA1/2遺伝子のいずれかの遺伝子変異保有者群内で0.58(95% CI = 0.46–0.73)だった。

経口避妊薬使用は、BRCA1/2遺伝子のいずれか、あるいは両方の遺伝子変異保有者において、乳癌発症リスクに有意とはいわないまでも増加させる傾向にあった。経口避妊薬の使用未経験者群と使用経験者群との比較で得られた乳癌発症リスクのオッズ比は、BRCA1遺伝子変異保有者群内で1.19(95% CI = 0.92–1.55)、BRCA2遺伝子異保有者群内で1.36(95% CI = 0.89–2.10)、BRCA1/2遺伝子のいずれかの遺伝子変異保有者群内で1.21(95% CI = 0.93–1.58)だった。

研究者らは、経口避妊薬使用経験(いずれの時点かは問わない)のある一般女性群において、卵巣癌発症率が30%減少する、および乳癌発症リスクがわずかに増加することに着目した。経口避妊薬を最近まで使用していた場合または現在使用中の場合は、乳癌発症リスクがより高くなる。

研究者らは、BRCA1/2遺伝子変異のある女性群における経口避妊薬使用と卵巣癌または乳癌発症リスクとの関連性は、遺伝子変異のない一般女性群と変わらないことが本メタ解析で示されたと結論づけた。

参考文献:
Moorman PG, Havrilesky LJ, Gierisch JM, et al. Oral contraceptives and risk of ovarian cancer and breast cancer among high-risk women: A systematic review and meta-analysis. Journal of Clinical Oncology. Published early online October 21, 2013. doi: 10.1200/JCO.2013.48.9021


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翻訳担当者 並木 恵

監修 喜多川 亮(産婦人科/NTT東日本関東病院)

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