FDAが進行性乳癌にアフィニトールを承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年7月20日
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FDAが進行性乳癌にアフィニトールを承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日、閉経後のホルモン受容体陽性/HER2陰性の進行性乳癌患者の治療薬として、アロマシン(エキセメスタン)との併用でアフィニトール(エベロリムス)を承認した。
併用治療の対象は、フェマーラ(レトロゾール)またはアリミデックス(アナストロゾール)による治療後に再発または疾患の進行が認められた女性である。
乳癌は女性では2番目に多い癌関連死亡原因である。本年、推定226,870人の女性が乳癌と診断され、39,510人が死亡するとされている。
「この承認は、ホルモン受容性陽性の進行性乳癌を有する閉経女性の治療において、mTOR阻害剤という薬剤分類の中で最初に得られたものです。アフィニトールは、その初回承認後に、他の種類の癌における治療薬として研究を継続する価値のある薬剤の一つです」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。
アフィニトールの安全性および有効性は、進行性乳癌患者724人を対象とした臨床試験において評価された。患者は全て閉経を迎えており、転移の認められたエストロゲン受容体陽性/HER2陰性乳癌患者で、フェマーラまたはアリミデックスによる前治療を受けていた。患者はアフィニトール+アロマシン群あるいはアロマシン+プラセボ(砂糖錠)群へ割り付けられた。治療は癌の進行がみられるまで、あるいは許容範囲を超える副作用が発現するまで継続した。
試験では、癌が進行することなく患者が生存した期間、つまり無増悪生存期間(PFS)が評価された。アロマシン+プラセボ群の患者に比べ、アフィニトール+アロマシン群の患者では、癌の進行あるいは死亡までの期間の中央値が4.6カ月延長した。
乳癌治療でアフィニトールを投与した患者にみられた最も頻度の高い副作用は、口内炎、感染症、発疹、疲労感、下痢、食欲不振であった。65歳以上の患者の場合、治療を受けている年齢層の若い患者と比べて重篤な副作用の発症率がより高いため、慎重な観察が必要である。
アフィニトールのFDAによる過去の承認には、他の薬剤による癌治療後に進行した進行性腎細胞癌患者、進行性膵神経内分泌腫瘍を有する成人患者、緊急手術を必要としない腎血管筋脂肪腫および結節性硬化症複合体(TSC)を有する患者、TSCを伴う上衣下巨細胞性星細胞腫を有する成人および小児患者で治療を必要とするが根治的手術に適した候補者ではない患者の治療がある。
アフィニトールは、ニュージャージー州イーストハノーバーを拠点とするノバルティス社が販売している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products(血液腫瘍製品室)〔原文〕
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers (承認薬:質問と回答)〔原文〕
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栃木和美 訳 (野中 希 要約)
原 文堅 (乳癌/四国がんセンター) 監修
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