ノルウェーの研究がマンモグラフィー検診の利点がより少ないことを示唆

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ノルウェーで実施された研究は、マンモグラフィー検診プログラムが50〜69歳までの女性に対して乳癌死亡リスクを10%減少させること、また同年齢の乳癌死亡率減少の要因の約3分の1に相当することを示唆している。これらの結果はNew England Journal of Medicine誌に発表された。

マンモグラムは乳房X線像であり、マンモグラフィー検診は乳癌の兆候がない女性に実施される。マンモグラフィー検診の目的は、最も治療しやすい初期ステージで乳癌を検出することにある。

若い女性に対するマンモグラフィー検診の効果について議論されているが、ほとんどの研究は50歳以上の女性に対するマンモグラフィー検診が乳癌死亡率を減少させることを報告している。しかし、この効果の程度は乳癌治療と乳癌への認識が向上するにつれて変化することもある。

50〜69歳までの女性に対するマンモグラフィー検診の影響を更に調査するため、ノルウェーの研究者らは国内の検診プログラムの段階的実施に合わせて乳癌死亡率の傾向を評価した。[1] 1986〜2005年の間に4万人以上の乳癌女性の情報が得られた。

• 検診群の女性で乳癌死亡率が10%減少した。
• 研究期間にノルウェーの乳癌死亡率は減少したが、死亡率減少の大部分は検診以外(治療の向上など)によると考えられる。検診は乳癌死亡減少の要因の約3分の1に相当すると考えられる。

この論文に付随する論説では、これらの結果を米国の人口に適用した場合の予測を示している。[2] 現在、米国では50歳女性の10年間の乳癌死亡リスクは1000人中4人である。ノルウェーの結果を適用すると、検診未実施の場合のリスクは1000人中約4.4人になる。見方を変えれば、10年間で乳癌死亡を1件減らすためには2,500人の女性が検診を受ける必要がある。

この結果は、マンモグラフィー検診の利点が過去に報告されたよりも少ない可能性を示唆する。しかし、検診のリスクと利点は個々の女性の環境や好みにより異なるため、検診について医師と相談することが望ましい。

参考文献:

[1] Kalager M, Zelen M, Langmark F, Adami H-O. Effect of screening mammography on breast-cancer mortality in Norway. New England Journal of Medicine. 2010;363:1203-10.

[2] Welch HG. Screening mammography—a long run for a short slide? New England Journal of Medicine. 2010;363:1276-78.


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翻訳担当者 上田佐知子 訳、榎 真由 校正

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