ゾラデックスZoladex/標準療法にZoladex®を追加することで、閉経前早期乳癌患者に効果がある可能性

キャンサーコンサルタンツ
2006年5月

Zoladex In Pre-menopausal Patients(ZIPP)研究に携わる研究者らの報告によれば、放射線療法と化学療法の両方またはそのいずれかを含んだ補助療法に、ゾラデックス®(ゴセレリン)を追加すると生存率の改善が見られた。この研究結果はEuropean Journal of Cancerのオンラインレポートで発表された。

ゾラデックスはLHRHアゴニストを放出する黄体ホルモンであり、前立腺癌の一次療法に使用されている。ゾラデックスはまた、閉経前と閉経期の進行乳癌患者治療への使用が承認されている。ゾラデックスは、卵巣のホルモン生成を抑制し、血中エストロゲン値を低下させる。ノルバデックス(タモキシフェン)とゾラデックスの併用療法は、いずれかの単剤使用よりもさらに効果的にエストロゲンを遮断する。

ZIPP研究の目的は、閉経前および閉経期の限局性乳癌患者への放射線療法と化学療法の両方またはそのいずれかを含んだ補助療法が、ゾラデックスとノルバデックスの両方またはそのいずれかの追加により効果が増強されるかどうかを見極めることである。この臨床試験の対象は2,710名であった。全員が50歳以下で、Ⅰ期またはⅡ期の手術可能乳癌患者であった。試験対象者の半数に標準療法が、残りの半数に標準療法にゾラデックス投与が、それぞれ無作為に割り付けられた。

5年の追跡調査において無再発生存率は、ゾラデックス投与グループで74.6%、比較グループで69.4%と見込まれた。ゾラデックス投与患者は全生存率にも改善が見られた。ゾラデックス投与グループの87.6%、比較グループの84.9%に5年の全生存期間が見られた。

研究者らは、「閉経前早期乳癌患者に対し、標準補充療法へのZoladex追加投与は、標準療法単独よりも効果がある」との結論を下した。

コメント

本研究は、早期乳癌に対する内分泌治療の組み合わせの裏付けとなる興味深いものである。


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翻訳担当者 Chachan

監修 平 栄(放射線腫瘍科)

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