2011年乳癌シンポジウムの重要な研究発表内容について

速報:

2011年9月8日

問合せ先:Susie Tappouni

571-483-1355

susie.tappouni@asco.org

ヴァージニア州アレクサンドリア―2011年乳癌シンポジウムの協賛スポンサーらは、乳癌治療、副作用、再発と生存率、およびサバイバーシップに注目した7つの研究を新たに発表した。研究結果は本年9月8日~10日にサンフランシスコにおいて行われるシンポジウム中に発表される予定である。

演題#82

乳房温存療法を受ける乳癌患者について、化学療法のタイミングの局所―局部的な不成功に与える影響

口頭演題セッションA

Yerba Buena Ballroom、Salon 8

9月8日 木曜日

1:30-1:40 PM 米国西海岸標準時間

「乳癌が大きい女性患者の場合、従来は化学療法の前に手術が行われてきた。本研究は、化学療法をはじめに受けた女性患者の局所再発のリスクははじめに手術を受けた女性患者と同じであったことを示した。はじめに化学療法を行うことで、手術前に癌をダウンステージング、つまり癌の大きさを有意に小さくすることができるかもしれない。再発率に対する悪影響はない。本研究では美容的な面について取り上げられていないが、手術前に腫瘍の大きさを小さくすることで、美容的な面で比較的受け入れることのできる形で乳腺腫瘤摘出術を実施できるかもしれない。」

Deanna Attai医師

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチームメンバー

Center for Breast Care, Inc.

演題#83

加速乳房部分照射法治療を受けた患者の乳癌亜型別転帰

口頭演題セッションA

Yerba Buena Ballroom、Salon 8

9月8日 木曜日

1:50-2:00 PM 米国西海岸標準時間

演題#84

乳癌(bca)に対する小線源治療を用いた加速乳房部分照射法(APBIb):利用予想およびガイドラインの遵守

口頭演題セッションA

Yerba Buena Ballroom、Salon 8

9月8日 木曜日

2:00-2:10 PM 米国西海岸標準時間

「乳房部分照射法に関するこれら2つの演題は、比較的新しい方法についての重要な見解を示すものである。ランダム試験の終了および発表を待っているところであるが、長きにわたって本分野の先導者であるフランスのボーモンのグループは、この方法が乳癌患者の様々な小集団に対して同等に適切であることを示した。本方法の使用方法について米国放射線腫瘍学会(ASTRO)のガイドラインの方向作りに協力したハーバードのグループは、本方法の導入は地理的地域により大きく異なっていること、またガイドラインは期待通りには順守されていないことを示している。特定の低リスクグループに対して乳房部分照射は今後も代替療法/選択肢として提供されることだろう。既に公表されているデータによると、比較的長期間に及ぶ照射スケジュールと比較しても同等であることが現在示されている。」

H. Joseph Barthold医師

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチームメンバー

マサチューセッツ州Commonwealth Hematology Oncology

演題#147

乳癌生存患者が求めていること、望んでいることについての横断的調査

一般セッションV:サバイバーシップ

Yerba Buena Ballroom、Salon 8

9月9日 金曜日

10:00-10:10 AM 米国西海岸標準時間

「本研究の患者の50%は病期が0-1である中で、この1週間にその中のかなりの者がなおも不安を感じると報告している(52%)。興味深いことに、患者は支援グループおよび社会福祉サービスよりも、骨粗しょう症や結腸直腸癌などの乳癌とは関係のない事柄のスクリーニングの方が重要であると感じている。これらの結果は興味深く、乳癌患者の目下のニーズについて、また医師はどのようにすれば患者の多種多様なニーズに最善に対処できるかについての議論が活発化されるべきである。」

Anees B. Chagpar医師、理学修士(MSc)、修士(MA), 公衆衛生学修士(MPH), 米国外科医師会(FACS)、 カナダ王立外科医師会(FRCS(C))

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチームメンバー

ニューヘイブン市イェールSmilow Cancer Hospital、ブレストセンター、センター長

イェール大学医学部外科部門准教授

演題#2

NCIC CTG MA.17コホートにおける乳癌指標別の晩期再発の予測

口頭演題セッションA

Yerba Buena Ballroom、Salon 8

9月8日 木曜日

1:00-1:10 PM米国西海岸標準時間

「全身化学療法および抗エストロゲン療法による補助療法の賢明な実施にもかかわらず、多くの患者は治療5年および10年以降に再発し、進行性乳癌で死亡している。著者は、タモキシフェン5年間投与後のエストロゲン受容体陽性乳癌の晩期再発の新たな分子予測因子を調べる症例対照研究について報告している。予後におけるその有用性が確認されたならば、晩期再発のリスクを下げるための特別な補助的方法、薬剤、そして治療期間の選択の指針となるかもしれない。」

Andrew D. Seidman医師

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチームメンバー

Breast Cancer Medicine Service指導医

Memorial Sloan-Kettering Cancer Center

演題#270

タキサン誘発性神経障害と補助化学療法後の臨床転帰との関係

口頭演題セッションB

Yerba Buena Ballroom、Salon 8

9月9日 金曜日

2:30-2:40 PM米国西海岸標準時間

「補助化学療法の一つとしてタキサンは無再発生存率および全生存率を改善する。タキサンの使用は末梢神経障害によって制限される事がある。これまでの研究から、タキサンの神経毒性予測における一塩基変異多型(SNP)の可能性が示されている(Schneider ASCO 2011, 演題1000)。米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)1199(Sparano J et al. NEJM)が得た最近の解析結果は、タキサン誘発性神経障害はタキサンの有効性と関連がないということを再確認するものであった。」

Andrew D. Seidman医師

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチームメンバー

Breast Cancer Medicine Service指導医

Memorial Sloan-Kettering Cancer Center

演題 #32

米国における男性乳癌の生存率と予後決定因子

一般ポスターセッションA

Yerba Buena Ballroom、Salon 8

ポスターボードC3

9月8日 木曜日

11:30 AM-1:00 PM米国西海岸標準時間

「研究そのものに一定の制限があるなかで、著者は歴史的に示されている事柄を確認した。男性における乳癌は高齢期に現れ、高い頻度で診断の遅れが関与しており、また一般的にリンパ節転移が伴っている。男性の乳癌は稀ではあるが、これらの研究結果は、男性における乳癌の発現について引き続き認知度を高めることが非常に重要であることを示している。」

Gail S. Lebovic修士(MA)、医師、公衆衛生学修士(MPH)

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチームメンバー

American Society of Breast Disease元代表

メディア向けの詳細な情報:2011年乳癌シンポジウムプレスキット

ASCO患者用ウェブサイト、Cancer.Netの関連リンク先:

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチーム

Gail Lebovic, MD, American Society of Breast Disease; Deanna J. Attai, MD, FACS, American Society of Breast Surgeons; Andrew D. Seidman, MD, American Society of Clinical Oncology (ASCO); H. Joseph Barthold, MD, American Society for Radiation Oncology (ASTRO); Anees B. Chagpar, MD, MSc, MA, MPH, FACS, FRCS(C), MD, Society of Surgical Oncology.

2011年乳癌シンポジウムニュースプランニングチームの公表内容についてはこちらをクリック。

あらゆる報道行為について、2011年乳癌シンポジウムを出典としていることを明記するよう求める。

翻訳担当者 金井太郎

監修 畑 啓昭(消化器外科/京都医療センター)

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原文掲載日 

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