乳房インプラント:FDAの再評価により、まれな癌との関連の可能性が示される

形成外科医、腫瘍医および血液専門医向け

原文

2011年1月26日 問題点:FDAは、生理食塩水およびシリコンジェルで充填された乳房インプラントと、極めてまれなタイプの癌である未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)との関連の可能性を発表した。FDAが審査を行ったデータにより、乳房インプラントを挿入した患者は、インプラントに隣接する瘢痕組織の被膜に極めて低いが有意なALCLリスクを負うことが示唆された。 背景:FDAでは、世界中で乳房インプラントを挿入した女性におけるALCLの症例の約60人を把握している。しかし、全ての症例が科学文献に公表されているとは限らず、重複して報告されている可能性もあることから、この症例数を確定するのは難しい。推定では、世界中で500万人から1,000万人の女性が乳房インプラント術を受けている。米国国立癌研究所によると、ALCLはリンパ節や皮膚などといった身体の他の部位にも発症するという。米国では毎年、女性50万人に約1人の割合でALCLと診断されている。乳房組織に発症するALCLは、乳房インプラントを挿入していない米国女性1億人のうち、わずか約3人に認められる。 推奨:乳房インプラントの挿入を受ける患者にリスクの可能性を確実に伝えるために、FDAは今後数カ月間、乳房インプラント製造業者と協力して、患者および医療従事者向けの製品表示資料の更新を行う。 FDAは医療従事者に対し、乳房インプラントを挿入した女性におけるALCLの確定症例をすべて報告するよう要請している。 医療従事者および患者に対し、これらの製品の使用に関連した有害事象や副作用を、FDA MedWatch Safety Information and Adverse Event Reporting Programに報告することを推奨している。 •報告書に記載のうえ提出すること オンラインwww.fda.gov/MedWatch/report.htm まで。 •書式をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話をして報告用書式を請求すること。その後、住所記載済みの書式にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178 にファックスで送付すること。

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

転移トリネガ乳がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果予測ツールを開発の画像

転移トリネガ乳がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果予測ツールを開発

ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターおよびジョンズホプキンス大学医学部の研究者らは、転移を有するトリプルネガティブ乳がんにおいて、免疫療法薬の効果が期待できる患者をコンピュータツ...
FDAが高リスク早期乳がんに対し、Kisqaliとアロマターゼ阻害剤併用およびKisqali Femara Co-Packを承認の画像

FDAが高リスク早期乳がんに対し、Kisqaliとアロマターゼ阻害剤併用およびKisqali Femara Co-Packを承認

米国食品医薬品局(FDA)2024年9月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、ホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の再発リスクの高いステージIIおよびI...
乳がん後の母乳育児が安全であることを証明する初めての研究結果の画像

乳がん後の母乳育児が安全であることを証明する初めての研究結果

● 欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2024で発表された2つの国際的な研究により、乳がん治療後に母乳育児をした女性において、再発や新たな乳がんの増加はないことが示された。
● この結果は、乳...
HER2陽性乳がんの脳転移にトラスツズマブ デルクステカン(抗体薬物複合体)が有効の画像

HER2陽性乳がんの脳転移にトラスツズマブ デルクステカン(抗体薬物複合体)が有効

• 大規模な国際共同臨床試験において、トラスツズマブ デルクステカンは、HER2陽性乳がん患者の脳転移に対して優れた抗がん作用を示した。
• 今回の結果は、今まで行われてきた複数の小規模...