FDAが悪性度の高い脳腫瘍に治療薬アバスチンを承認

FOR IMMEDIATE RELEASE:2009年5月8日
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FDAが悪性度の高い脳腫瘍の治療薬を承認

米国食品医薬品局(FDA)は、標準治療後にも進行した多形性膠芽腫(GBM)患者の治療にアバスチン(ベバシズマブ)を承認した。

GBMは脳組織を侵し、身体機能や精神機能に影響を及ぼす進行の速い癌である。米国では毎年約6,700人がGBMを発症している。外科手術や放射線治療、化学療法といった初期治療後に、癌はほぼ確実に再発する。「この種の癌は治療に対する抵抗性がきわめて高いため、治療は困難である」とFDAの医薬品評価研究センター(CDER)抗腫瘍薬製品室(Office ofOncology Drug Products)長であるRichard Pazdur医師は述べた。「アバスチンはその他の治療薬が奏効しない進行性GGM患者にとって、ひとつの治療法を提供する」と同氏は述べる。

アバスチンはモノクローナル抗体として開発された分子で、体内免疫系によって産生される抗体を模倣して有害物質から身体を防御する。この薬剤は、新生血管の形成を促進する血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを阻害する。これらの血管は腫瘍に栄養を供給することで、腫瘍の増殖を助長するうえ、癌細胞が体内循環する経路をも提供するものである。

同薬は転移性大腸癌の治療薬として2004年に初承認され、その後、非扁平上皮性の非小細胞肺癌(NSCLC)および転移性乳癌にも適応拡大された。

2件の臨床試験では、GBM患者の約25%が概ね4カ月の平均奏効期間をもってアバスチンに奏効した。

アバスチン関連の重篤な副作用としては消化管穿孔や創傷治癒に伴う合併症、出血・血栓で、死亡例も複数報告された。その他の重篤な副作用は重い高血圧、神経・視覚障害、白血球減少、感染症、脳卒中、心筋梗塞および腎障害であった。

最も多くみられた有害事象は鼻出血、頭痛、高血圧、鼻水、タンパク尿、味覚異常、皮膚乾燥、肛門出血、流涙および皮膚剥脱であった。
アバスチンは、サンフランシスコ市のGenentech社が製造している。

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西川百代 訳
村中 健一郎(生物物理学)監修 
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原文


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