Rindopepimutは、再発膠芽腫の長期生存ベネフィットを示す

キャンサーコンサルタンツ

上皮成長因子受容体変異型III(EGFRvIII)陽性の再発膠芽腫(GBM)患者において、Rindopepimut(Rintega)投与を評価したランダム化二重盲験第2相臨床試験の最終生存データが第20回米国脳腫瘍学会年次総会で発表された。

EGFRvIII遺伝子変異を発現する再発膠芽腫の患者では、長期生存率が低いなど全膠芽腫患者集団よりもさらに予後が不良である(EGFRvIII陽性患者の再発から死亡までの中央値は8.7カ月)。

Rindopepimutについて

Rindopepimutは治験中の治療ワクチンであり、腫瘍特異的がん遺伝子EGFRvIIIを標的とする。EGFRvIIIとは、上皮成長因子受容体(EGFR)の機能的変異体であり、恒常的に活性化される。なお、EGFRvIIIはがん治療の標的として十分に検証されているタンパク質である。

ReACT試験はランダム化比較第2相探索的臨床試験であり、ベバシズマブ(アバスチン)を用いた標準治療にRindopepimutを追加することでEGFRvIII陽性の再発膠芽腫患者の転帰が改善されるかどうかを評価するようにデザインされた。

研究著者らは、最終的な全生存データは著しいベネフィットを引き続き示していると報告した。
登録患者のうち、2年以上生存した患者(生存率)はRindopepimut治療群で5人(25%)に対し、対照群で0%であった。

中央診断において、病状が進行することなく生存追跡を継続している患者は、対照群で1人のみに対し、Rindopepimut群では5人である。

研究著者らは、「本試験で観察された長期生存ベネフィットは、非常に侵襲性の強いEGFRvIII陽性の膠芽腫患者においては、新規診断の症例だとしても、2年以上生存するということは大変まれであるために前例がない。中でも特筆すべきことはおそらく、患者がかなり長期にわたり生存するだけでなく、副作用が最小限で、ステロイド剤の必要量が減るため、生活の質も改善されることだろう」と述べた。

参考文献:
Celldex Therapeutics. (2015). Long-term survival benefit demonsrtated in Phase 2 ReACT Study of RINTEGA® in recurrent bevacizumab-naïve glioblastoma [Press Release]. Retrieved from http://ir.celldex.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=


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翻訳担当者 岐部幸子

監修 西川 亮(脳腫瘍/埼玉医科大学国際医療センター)

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