FDAが標的IDH1/2変異のあるグレード2星細胞腫または乏突起膠腫にボラシデニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)

2024年8月6日、米国食品医薬品局(FDA)は、生検、亜全摘出、または肉眼的全摘出を含む手術後の感受性IDH1またはIDH2変異を有するグレード2の星細胞腫または乏突起膠腫の成人および12歳以上の小児患者に対して、IDH1(イソクエン酸デヒドロゲナーゼ-1)およびIDH2(イソクエン酸デヒドロゲナーゼ-2)阻害剤であるvorasidenib[ボラシデニブ](販売名:Voranigo、Servier Pharmaceuticals社)を承認した。
これは標的IDH1またはIDH2変異を有するグレード2の星細胞腫または乏突起膠腫患者に対する全身療法として、FDAによる初めての承認である。
有効性は、無作為化多施設二重盲検プラセボ対照試験であるINDIGO試験(NCT04164901)に登録された、手術後に標的IDH1またはIDH2変異を有するグレード2の星細胞腫または乏突起膠腫患者331例を対象に評価された。患者は病勢進行または許容できない毒性が発現するまでボラシデニブ40 mgを1日1回経口投与する群とプラセボを1日1回経口投与する群に1対1に無作為に割り付けられた。IDH1 または IDH2 変異の状態は オンコマイン Dx Target Test (Life Technologies社) により前向きに判定された。プラセボ群に無作為に割り付けられた患者は、X線写真による病勢進行確認後にボラシデニブ群へのクロスオーバーが許可された。化学療法や放射線療法を含む抗癌剤治療を受けた患者は除外された。
有効性の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、修正RANO-LGG(Response Assessment in Neuro-Oncology for Low Grade Glioma)基準に従って盲検化された独立審査委員会が評価した。有効性の副次評価項目は、次の介入までの期間であった。PFSのハザード比は0.39(95%CI:0.27、0.56)、p値 < 0.0001であった。次の介入までの期間の中央値はボラセデニブ群では到達せず、プラセボ群では17.8カ月であった(HR = 0.26; 95% CI: [0.15, 0.43], p値 < 0.0001)。
多くみられた(15%以上)副作用は、疲労、頭痛、COVID-19感染、筋骨格痛、下痢、悪心、痙攣であった。多く認められたグレード3または4の臨床検査値異常(2%以上)は、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、GGT増加、好中球減少であった。
成人患者におけるボラシデニブの推奨用量は、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで 40 mg 、1 日 1 回経口投与である。12 歳以上の小児患者におけるボラシデニブの推奨用量は体重に基づく:
体重40 kg以上の患者:40 mgを1日1回経口投与。
体重40 kg未満の患者:20 mgを1日1回経口投与。

Voranigoの全処方情報はこちらに掲載予定である。

  • 監修 夏目敦至(脳神経外科/河村病院)
  • 記事担当者 後藤若菜
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  • 原文掲載日 2024/08/06

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