FDAが再発/難治性のBRAF変異陽性小児低悪性度神経膠腫にトボラフェニブを迅速承認

米国食品医薬品局(FDA)

2024年4月23日、米国食品医薬品局(FDA)は、BRAF融合遺伝子または遺伝子再構成、あるいはBRAF V600変異を有する生後6カ月以上の再発または難治性の小児低悪性度神経膠腫(LGG)患者を対象に、トボラフェニブ[tovorafenib](Ojemda, Day One Biopharmaceuticals社)を迅速承認した。

本剤は、融合遺伝子含むBRAF遺伝子再構成を有する小児LGG患者に対する全身療法として初めてFDAに承認された。

有効性は、FIREFLY-1(NCT04775485)に登録された76人の患者で評価された。FIREFLY-1は、1ライン以上の全身療法歴があり、検査で活性化BRAF遺伝子変異が検出された再発または難治性の小児LGG患者を対象とした、多施設共同非盲検単群試験である。患者の組み入れには、進行に関する放射線学的レポートおよび1つ以上の測定可能な病変があることが必要であった。その他の活性化分子変異(例えば、IDH1/2変異、FGFR変異)のある腫瘍を有する患者、または神経線維腫症1型の診断が既知または疑われる患者は除外された。患者は、体表面積に基づくトボラフェニブ(範囲:290~476 mg/m2、最大用量600 mgまで)を、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで週1回投与された。

主要評価項目は奏効率(ORR)であり、RAPNO-LGG(Response Assessment in Pediatric Neuro-Oncology Low-Grade Glioma:小児神経膠腫における奏効評価)基準に基づく盲検下独立中央審査(BICR)により、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、または軽度の奏効(MR)を示した患者の割合と定義した。有効性の副次評価項目には奏効期間(DoR)が含まれた。ORRは51%(95%信頼区間:40、63)、DoR中央値は13.8カ月(95%信頼区間:11.3、推定不能)であった。

主な副作用(30%以上)は、発疹、毛色変化、疲労、ウイルス感染、嘔吐、頭痛、出血、発熱、皮膚乾燥、便秘、悪心、ざ瘡様皮膚炎、上気道感染であった。特に多く認められたグレード3または4の臨床検査値異常(2%超)は、リン酸減少、ヘモグロビン減少、クレアチニンホスホキナーゼ増加、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アルブミン減少、リンパ球減少、白血球減少、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、カリウム減少、ナトリウム減少であった。

体表面積(BSA)に基づくトボラフェニブの推奨用量は、病勢進行または忍容できない毒性が発現するまで、380 mg/m2の週1回経口投与(最大推奨用量は週1回600 mg経口投与)である。トボラフェニブは、即時放出錠剤または経口懸濁液として入手可能である。BSAが0.3 m2未満の患者に対する推奨用量は確立されていない。

Ojemdaの全処方情報はこちらに掲載予定である。

  • 翻訳担当者 後藤若菜
  • 原文を見る
  • 原文掲載日 2024年4月29日

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

FDA承認情報に関連する記事

FDAが標的IDH1/2変異のあるグレード2星細胞腫または乏突起膠腫にボラシデニブを承認の画像

FDAが標的IDH1/2変異のあるグレード2星細胞腫または乏突起膠腫にボラシデニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)2024年8月6日、米国食品医薬品局(FDA)は、生検、亜全摘出、または肉眼的全摘出を含む手術後の感受性IDH1またはIDH2変異を有するグレード2の星細胞腫...
FDAが、非小細胞肺がんにラゼルチニブとアミバンタマブ併用を承認の画像

FDAが、非小細胞肺がんにラゼルチニブとアミバンタマブ併用を承認

米国食品医薬品局(FDA)2024年8月19日、食品医薬品局(FDA)は、FDA承認検査で検出された上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン19欠失またはエクソン21 L858R置換変異...
FDAが切除不能/転移性滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルを迅速承認の画像

FDAが切除不能/転移性滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルを迅速承認

米国食品医薬品局(FDA)2024年8月2日、米国食品医薬品局(FDA)は、化学療法歴があり、HLA-A*02:01P、-A*02:02P、-A*02:03P、-A*02:06P陽性で...
FDAがBCG不応性の筋層非浸潤膀胱がんにノガペンデキン アルファ インバキセプトを承認の画像

FDAがBCG不応性の筋層非浸潤膀胱がんにノガペンデキン アルファ インバキセプトを承認

米国食品医薬品局(FDA)2024年4月22日、米国食品医薬品局(FDA)は、乳頭状病変(Ta/T1)の有無を問わない上皮内がん(CIS)を有するカルメット・ゲラン桿菌(BCG)に不応...