Rindopepimut は神経膠芽腫に対して引き続き有望

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第2相臨床試験の長期追跡調査によれば、治験ワクチンRindopepimut(CDX-110)は、多形性膠芽腫(GBM)の全生存率を改善する可能性がある。これらの結果は、米国神経腫瘍学会の2011年次総会で発表された。

多形性膠芽腫は、原発性脳腫瘍の最も一般的で死亡率の高いタイプの一つである。それは、神経系で最も豊富な細胞であるグリア細胞から発生している。グリア細胞は、ニューロン(脳、脊髄、および神経間で活動電位を伝達する細胞)の働きを促進する補助的な機能を持つ。

GBMの治療として、多くの場合手術に続いて放射線療法とテモダール(テモゾロミド)による化学療法が行われる。しかし、現時点で最も積極的な治療をおこなっても多くの患者は、診断後1年未満しか生存できない。このような状況の中研究者らは、新しい革新的な治療戦略の評価を続けている。

Rindopepimutは、上皮成長因子受容体変異体Ⅲ、または、EGFRvIIIとして知られている分子を標的とする治験免疫療法ワクチンである。この分子は、正常細胞に発現しておらず、癌細胞の増殖に寄与することが知られている。GBM患者の25~30%は、EGFRvIII陽性腫瘍を有すると推定される。

ACTⅢ試験は、EGFRvIIIを発現するGBMを新たに診断された患者において、放射線とテモダールの併用療法にRindopepimutを追加した治療法を評価した。65人の患者が、この第2相試験に登録された。全患者において、腫瘍は手術で摘出された。各参加者に対してRindopepimutワクチン接種は、診断後約3カ月目から始められた。

この研究の過去の報告では、Rindopepimutが、無増悪生存期間を改善することが示唆された。(本臨床試験結果は、Rindopepimutを含まない治療の過去の臨床試験結果と比較された)今回の分析は、全生存期間についての情報を提供する。

  • 全生存期間の中央値は、24.6カ月であった。この結果は、Rindopepimutを含まない治療によって期待される結果よりも優れていた。本臨床研究と別にRindopepimutを含まない治療を受けた同様のグループの患者の全生存期間は、15.2カ月であった。
  • Rindopepimutの忍容性は、良好であった。最も頻度が高かった副作用は、注射部位の局所反応であった。

これらの結果より、標準的なGBM治療にRindopepimutを追加すると、治療成績を改善する可能性があると引き続き示唆される。

参考文献:

Lai R, Recht LD, Reardon DA et al. Long-term follow-up of ACT III: a phase II trial of rindopepimut (CDX-110) in newly diagnosed glioblastoma. Presented at the 2011 SNO Annual Scientific Meeting and Education Day. Orange County, California. November 17-20, 2011. Abstract IM-03.


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翻訳担当者 上野 葉

監修 寺島 慶太(小児科/テキサス小児病院)

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