FDAが進行消化管間質腫瘍に対する治療薬Stivargaを承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2013年2月25日
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FDAが進行消化管間質腫瘍に対する治療薬Stivargaを承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日、手術で摘出不可能かつ既存のFDA承認薬には奏効しない進行期消化管間質腫瘍(GIST)患者に対するStivarga(スティバルガ[レゴラフェニブ])の適応拡大を承認した。
GISTは、消化器系の一部である胃腸管組織に発生する癌である。米国国立癌研究所(NCI)によると、米国では毎年推定3,300~6,000人がGISTを発症しており、その多くは高齢者である。
Stivargaは癌細胞の成長を促す複数の酵素を阻害するマルチキナーゼ阻害剤である。今回の新たな承認により、Stivargaは外科的に摘出不可能であるか別の部位への転移が認められ、さらにFDAが既に承認している2つのGIST治療薬グリベック(イマチニブ)とスーテント(スニチニブ)に奏効しない患者に使用することができる。
「StivargaはFDAが承認した3番目の消化管間質腫瘍治療薬です」とFDA医薬品評価研究センター血液腫瘍製品室所長であるRichard Pazdur医師は述べている。「他の承認薬が有効ではないGIST患者に、新しい重要な治療選択肢を与えます」。
StivargaはFDAの優先審査プログラムで審査を受けた。このプログラムは、6カ月間の迅速審査であり、安全で有効な治療法と考えられ他に有効な治療法が存在しないか市販製剤と比較して有意な改善をもたらす薬剤に適用される。また、本剤は希少疾患の治療を目的としているため、希少疾病用医薬品として指定され助成を受けていた。
本適応におけるStivargaの安全性および有効性は、外科的に摘出不可能かつグリベックまたはスーテント治療後もGISTが進行した患者199人を対象とした1件の臨床試験で評価された。患者はStivarga投与群またはプラセボ投与群に無作為に割り付けられた。すべての患者は副作用や癌による症状を軽減するための治療など最適な支持療法も受けた。
臨床試験に参加した患者はStivargaまたはプラセボの投与を癌が進行するか副作用が許容できなくなるまで受けた。その結果、Stivarga投与を受けた患者ではプラセボ投与を受けた患者より平均3.9カ月腫瘍の増殖が遅れた(無増悪生存期間)。プラセボ投与を受けた患者には、癌が進行したときStivargaへ切り換える機会が与えられていた。
Stivarga投与を受けた患者において最もよくみられた副作用は、脱力、疲労、手足症候群(別名:手掌・足底感覚異常症)、下痢、食欲減退、血圧上昇、口内の痛み、感染症、声量または声質の変化、疼痛、体重減少、胃痛、発疹、発熱、悪心であった。
重篤な副作用は患者の1%未満に発現し、その内訳は肝障害、重度の出血、皮膚水疱形成および皮膚剥離、緊急治療を必要とする非常に高い血圧、心臓発作、腸管穿孔であった。
Stivargaは2012年9月、大腸癌に対する承認を得ている。販売は米国ニュージャージー州ウェインを拠点とするバイエル社が行なっている。グリベックは米国ニュージャージー州イースト・ハノーバーを拠点とするノバルティス社が販売しており、スーテントはニューヨーク市を拠点とするファイザー社が販売している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products (血液腫瘍製品室)〔原文〕
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers (承認薬:質問と回答)〔原文〕
NCI: Gastrointestinal Stromal Tumors (消化管間質腫瘍)〔原文〕
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近永朋子 訳
東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろづ相談所病院・総合内科)監修
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