FDAが稀な消化管癌の治療薬としてグリベックの適応追加を承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年1月31日
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FDAが稀な消化管癌の治療薬としてグリベックの適応追加を承認
―検証試験により有意な生存率改善が認められ、通常承認を取得―
米国食品医薬品局(FDA)は本日、CD117陽性消化管間質腫瘍(GIST)の外科的切除後の成人患者に対し、グリベック(イマチニブ)の適応を通常承認した。この承認では、標準的な12カ月間投与による治療と比較して、36カ月間投与により全生存期間が延長することも注目された。
グリベックは2002年に、進行あるいは転移性GISTの治療に対し迅速承認を得た。続いて2008年、治癒切除(外科的除去)を受けたが再発の可能性が高いGIST患者への補助療法に対して迅速承認を得た。迅速承認の制度により、検証試験が行われている間に患者は有望な医薬品を早期に使用することができる。2008年には、転移性GISTへの適応も通常承認を得た。
GISTは、消化管壁に分布する細胞に発生する稀な癌である。カハール間質細胞として知られるこの細胞は、自律神経系の一部であり、食物の消化などの生体プロセスを調節する。GISTの半数以上は胃で発生する。
「この10年間のグリベックの開発により、医薬品の本当の有益性を明らかにするには承認後の追加試験が必要であることが浮き彫りにされました」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べる。「グリベックは当初、転移性癌に対して承認されましたが、その後の本臨床試験により、長期間投与でより初期の癌でも生存期間を延長することが実証されました」。
グリベックの12カ月間投与と36カ月間投与を比較した大規模ランダム化臨床試験のデータを掲載するために、添付文書を改訂中である。36カ月間のグリベック投与により、12カ月間投与に比べて全生存期間および無再発生存期間が有意に延長された。60カ月経過時点で、36カ月間グリベックを服用した患者の92%が生存していたのに対し、12カ月間服用した患者では82%であった。
グリベックは錠剤であり、食後に水とともに服用する。
グリベックを服用した患者に認められた主な副作用は、むくみ(浮腫)、悪心、嘔吐、筋攣縮、骨痛および筋肉痛、下痢、発疹、疲労、および腹痛であった。
グリベックは2001年5月に、慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病患者の治療薬として承認された。フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病は、遺伝子異常と関連する血液および骨髄の疾患である。
グリベックは、ニュージャージー州イーストハノーバーのNovartis Pharmaceuticals Corp.社が販売している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA Approves Gleevec to Prevent Recurrence of Rare Gastrointestinal Cancer (2008) (FDAが稀な消化管癌の再発予防にグリベックを承認(2008))〔原文〕
FDA: Office of Hematology and Oncology Products (血液腫瘍製品室)〔原文〕
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)〔原文〕
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石岡優子 訳
吉原 哲 (血液内科・造血幹細胞移植/兵庫医科大学病院)監修
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