LOXO-101がNTRK融合遺伝子陽性腫瘍を縮小
MDアンダーソン OncoLog 2016年7月号(Volume 61 / Issue7)
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LOXO-101がNTRK融合遺伝子陽性腫瘍を縮小
LOXO-101がNTRK融合遺伝子陽性腫瘍を縮小させることがテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター主導による継続中の多施設共同第I相試験(No. 2014-1056)で示された。
この試験は、選択的汎TRK阻害薬LOXO-101をヒトに用いた最初の試験であり、進行固形がん患者に対する本剤の最大耐容量の探索を目的とする。
ゲノム検査により、登録患者41人のうち6人の悪性腫瘍(肉腫、消化管間質腫瘍、非小細胞肺がん、甲状腺乳頭がん、唾液腺の乳腺相似分泌がん)で腫瘍内のNTRK1あるいはNTRK3融合遺伝子が陽性であると判明した。
NTRK融合遺伝子が確認されたこれらの患者6人に対するLOXO-101の投与の結果、5人で部分奏効が、固形がん治療効果判定基準(RECISTガイドライン)に基づき認められ、6人全員で21%の腫瘍縮小率が達成された。6人ともLOXO-101による治療を継続しており、1サイクル28日間から成る治療サイクルの少なくとも7サイクル目にあたる現時点において、病勢は進行していない。
これまでの検証では、さまざまな用量における1日2回あるいは3回の投与のいずれにおいてもLOXO-101の忍容性は良好であった。発現頻度の高い副作用は、疲労、めまい、悪心などである。LOXO-101の最大耐容量はまだ決定されていない。今年4月に開催された米国がん学会(American Association for Cancer Research)年次総会で発表された第I相試験のデータから、NTRK融合遺伝子陽性腫瘍が同定された患者においてLOXO-101の忍容性は良好であり、長期的な疾病管理に有用であることが示唆される。
目下、LOXO-101の第I相試験の患者登録が継続中である一方、第II相試験(No. 2015-0728)もNTRK融合遺伝子陽性がんの患者のみを対象として進められている。第II相試験では、患者はLOXO-101を100 mgの用量で1日2回投与される。
「第II相試験への患者登録は現在進行中であり、NTRK融合遺伝子陽性固形腫瘍であれば、種類を問わず登録の対象としています。NTRK融合遺伝子は、ほぼ全種類の腫瘍で同定されています。NTRK融合遺伝子陽性がんの患者におけるLOXO-101の追加的データを得る上で、今回の第II相試験は重要です。また、この試験では、これまで解析してきた腫瘍とは種類の異なる腫瘍についても解析することができるものと予測しています」とがん治療開発科の准教授David Hong医師は述べる。
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