FDAがデスモイド腫瘍にニロガセスタットを承認

米国食品医薬品局(FDA)

2023年11月27日、米国食品医薬品局(FDA)は全身治療を必要とする進行性のデスモイド腫瘍の成人患者を対象にニロガセスタット[nirogacestat](販売名:OGSIVEO、SpringWorks Therapeutics社)を承認した。これはデスモイド腫瘍に対して初めて承認された治療薬である。

有効性は、手術適応のない進行性のデスモイド腫瘍患者142人を対象とした国際、多施設共同、無作為化(1対1)二重盲検、プラセボ対照試験であるDeFi試験(NCT03785964)で評価された。スクリーニング期間の12カ月以内にデスモイド腫瘍が進行した患者が組入れ可能であった。患者は、ニロガセスタット150 mgまたはプラセボを1日2回経口投与する群に無作為に割り付けられ、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで投与を受けた。

主要な有効性評価指標は、RECIST v1.1に基づく盲検下独立中央審査判定、または治験分担医師の臨床的進行判定(独立審査により確定)による無増悪生存期間(PFS)であった。PFS中央値はニロガセスタット群で未到達(NR)(95%CI:NR, NR)、プラセボ群で15.1カ月(95%CI:8.4, NR)であった(ハザード比[HR]0.29[95%CI:0.15, 0.55];p値 =< 0.001)。放射線学的に判定された進行に基づくPFSの探索的解析では、ハザード比は0.31(95%CI:0.16、0.62)であった。

客観的奏効率(ORR)は、有効性の追加評価項目であった。ORRはニロガセスタット群で41%(95%CI:29.8、53.8)、プラセボ群で8%(95%CI:3.1、17.3)であった(p値 =< 0.001)。有効性の結果に加えて、患者が報告した最悪の疼痛をベースラインとした疼痛変化において、ニロガセスタット群で疼痛の軽減が認められた。

特に多くみられた有害事象は、下痢、卵巣毒性、発疹、悪心、疲労、口内炎、頭痛、腹痛、咳、脱毛症、上気道感染、呼吸困難であった。

ニロガセスタットの推奨用量は150 mgで、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで、1日2回、食事の有無にかかわらず経口投与する。用量150 mgの内訳は、50 mg錠を3錠となる。

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  • 監訳 遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院)
  • 翻訳担当者 後藤 若菜
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  • 原文掲載日 2023/11/28

 

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