FDAが進行期軟部肉腫に対する治療薬Votrient (パゾパニブ)を承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年4月26日
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FDAが進行期軟部肉腫に対する治療薬Votrient (パゾパニブ)を承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日、化学療法の治療歴がある軟部肉腫患者の治療薬としてVotrient(パゾパニブ)を承認した。軟部肉腫は、筋肉、脂肪、線維組織、および他の組織などの軟部組織に発生する癌である。
Votrientは、固形腫瘍の増殖と生存に必要な新しい血管の形成(血管新生)を抑制することで作用する錠剤である。
軟部組織肉腫は多種のサブタイプが存在する稀な癌であるが、米国では毎年約10,000人に発症している。Votrient の承認に至った臨床試験では、肉腫の20種類を超えるサブタイプが対象として含まれていた。本薬剤は、脂肪細胞の軟部肉腫および消化管間質性腫瘍を有する患者の治療薬としては承認されていない。
「軟部肉腫は多様な腫瘍のグループであり、この種の腫瘍に対するVotrientの承認は数十年間で初めての承認となります。肉腫に対する治療薬の開発は、疾患数が限られており、また肉腫には多種のサブタイプが存在することから特に困難であるとされてきました」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。
Votrientの安全性および有効性は、化学療法の治療歴がある進行性の軟部組織肉腫患者369人を対象とした1件の臨床試験により評価された。患者はVotrient投与群またはプラセボ投与群に無作為に選択された。本試験の目的は、癌の進行なしに患者が生存した期間(無増悪生存期間)を判定することであった。Votrient投与群では無増悪生存期間の中央値が4.6カ月だったのに対し、プラセボ投与群では1.6カ月であった。
Votrient投与群で最も高頻度の副作用は、疲労感、下痢、悪心、体重減少、高血圧、食欲減退、嘔吐、腫瘍および筋肉痛、毛髪変色、頭痛、味覚異常、呼吸困難、および皮膚変色であった。
Votrientの枠囲警告では、患者および医療従業者に対し、致命的疾患となりうる肝障害(肝毒性)の潜在的リスクについて警告している。患者への肝機能のモニタリングを実施し、肝機能の低下が認められた場合は治療を停止するべきである。
Votrientは本適応に対してオーファンドラッグ指定を受けた。オーファンドラッグ指定は、米国において20万人未満の患者に発症した疾患を治療するための薬剤に対して与えられる。Votrientは、進行性腎臓癌の治療薬として2009年10月に最初に承認されている。
Votrientは、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パークに位置するグラクソ・スミスクライン社が販売している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products(血液腫瘍製品室)〔原文〕
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)〔原文〕
****** 栃木和美 訳
東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろづ相談所病院・総合内科)監修
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