遺伝子変異は横紋筋肉腫の生存率に関連する

キャンサーコンサルタンツ

横紋筋肉腫小児患者で、特異的な遺伝子変異の検査により、最終的には、リスク推定や治療法決定が改良される可能性がある。これらの結果は、Journal of Clinical Oncology誌上で発表された。

横紋筋肉腫は軟部組織の癌で、横紋筋(骨格筋)から発生する。横紋筋肉腫は、小児の間で最も頻度が高い軟部肉腫である。

横紋筋肉腫の治療には、化学療法と外科療法がよく行われ、また、放射線治療が行われることもある。横紋筋肉腫の悪性度に関する情報は、治療法決定の個別化に有用となる可能性がある。しかし、横紋筋肉腫の層別化を目的とする現行のアプローチには、限界がいくつかある。

横紋筋肉腫リスクを層別化する新規の方法を検討するために、横紋筋肉腫患者225人由来の数千の遺伝子が解析された。

特異的な遺伝子変異であるPAX3/FOXO1融合遺伝子は、生存率低下に関連した。さらに、PAX3/FOXO1融合遺伝子の検査結果と一般的臨床指標を併用することで、一般的臨床指標のみと比較して、横紋筋肉腫の予後をより正確に評価することができた。

これらの結果から、横紋筋肉腫の遺伝子検査により、最終的には、より正確なリスク層別化とより個別化した治療の可能性があることが示唆される。この検査により、集中治療―とそれに伴う副作用―を留保することで、本当に集中治療を必要とする横紋筋肉腫小児患者に対して恩恵を与える可能性がある。

参考文献:

Missiaglia E, Williamson D, Chisholm J et al. PAX3/FOXO1 Fusion Gene Status Is the Key Prognostic Molecular Marker in Rhabdomyosarcoma and Significantly Improves Current Risk Stratification. Journal of Clinical Oncology. Early online publication March 26, 2012.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 渡邊 岳

監修 東 光久(血液癌・腫瘍内科領域担当/天理よろづ相談所病院・総合内科)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

肉腫に関連する記事

トラベクテジン併用化学療法は平滑筋肉腫患者の延命に役立つ の画像

トラベクテジン併用化学療法は平滑筋肉腫患者の延命に役立つ 

何十年もの間、化学療法薬であるドキソルビシンは、多くの種類の進行肉腫(身体の骨や軟部組織から発生するがん)患者に対する主力薬であり続けている。以前に検証されたドキソルビシン+他の化学療...
FDAが進行滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルによるT細胞受容体療法を正式承認の画像

FDAが進行滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルによるT細胞受容体療法を正式承認

8月2日、米国食品医薬品局(FDA)は、軟部肉腫の一種である転移性滑膜肉腫の一部患者の治療をを目的として、afamitresgene autoleucel[アファミトレスゲン オートル...
若年者の再発/難治性ユーイング肉腫にEWS-FLI1転写阻害薬が有望の画像

若年者の再発/難治性ユーイング肉腫にEWS-FLI1転写阻害薬が有望

MD アンダーソンがんセンター非常に悪性度の高い骨がんであるユーイング肉腫(ES)の思春期・若年成人は、治療の選択肢が少なく、再発後の予後も不良である。 Joseph Ludwig医師...
FDAが切除不能/転移性滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルを迅速承認の画像

FDAが切除不能/転移性滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルを迅速承認

米国食品医薬品局(FDA)2024年8月2日、米国食品医薬品局(FDA)は、化学療法歴があり、HLA-A*02:01P、-A*02:02P、-A*02:03P、-A*02:06P陽性で...