ESMO会議:肉腫・希少がん会議と欧州肺がん会議
欧州臨床腫瘍学会(ESMO)
世界有数の臨床腫瘍学会である欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology:ESMO)は、腫瘍学における特定の2分野に取り組む新設および定例の2学会を3月に開催し、一流の専門家が新しい臨床データと最新の治療法について議論する。
ESMO肉腫および希少がん会議2023(ESMO Sarcoma and Rare Cancers Congress 2023)
ESMO肉腫および希少がん会議2023は、まれな成人固形がんの治療とケアの進展について発表し、議論することを目的とする(2023年3月20日〜22日、スイスのルガーノで開催)。
プログラムハイライト
・希少がんについて最適な臨床的判断を行うための新しい臨床データ
セッション:希少がん(口頭発表)、肉腫(口頭発表)
・肉腫の新たな治療法および分子特性解析・エピジェネティクスの進展、疾患の解明に向けての展望
セッション: 肉腫の分類と肉腫の局所治療・切除治療の進展
・非常にまれな肉腫において、自然経過の知識が乏しい中で増え続ける亜種の数と、研究を進展させ、患者の予後を改善するための革新的技術や新しい臨床的研究方法の採用とのバランスをどうとるか
セッション: 超希少がん肉腫
・下記のような希少病変に苦しむがん患者のニーズを理解して今後の研究を考え、より良い治療法を見つけ、予後を向上させる
婦人科系および泌尿生殖系がん
セッション:希少婦人科系・泌尿生殖系がんの診断と治療における課題、希少婦人科系・泌尿生殖系がんにおける継続的なケアの改善
胸部および頭頸部腫瘍
セッション:超希少な組織構造をもつ超希少胸部・頭頸部腫瘍の患者管理
消化器がん、膵・消化管神経内分泌腫瘍
セッション:希少な消化器がんと膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP NEN)の管理
皮膚以外のメラノーマ(黒色腫)、付属器腫瘍、メルケル細胞がん
セッション: 皮膚以外のメラノーマ、付属器腫瘍、メルケル細胞がん
中枢神経系腫瘍
セッション:希少な中枢神経系原発腫瘍の診断、治療の現状
副腎腫瘍
セッション:副腎腫瘍の管理
・革新的な研究開発を後押しする、ヘルスケアネットワークの重要性
セッション:EUにおけるがんおよび希少がんに関するヘルスケアネットワークの形成
・研究過程全般における患者からの情報や意見の重要性、いかに患者支援が希少がん研究の成功の鍵となり得るか
セッション: SPAGNセッション: 患者の利益のための研究、希少がんにおける患者支援
欧州肺がん会議2023(European Lung Cancer Congress 2023)
欧州肺がん会議2023は、科学の進歩、教育の普及、および世界中の肺がん専門家による診療の改善を目的とする年次イベントである(2023年3月29日~4月1日、デンマークのコペンハーゲン、および専用のバーチャルプラットフォームを通じたオンラインで開催)。
プログラムハイライト
・治療法を改善する革新的臨床データと登場間近の新薬
セッション:口頭セッション1、口頭セッション2、および新しい種類の治療: ADC(抗体薬物複合体)、バイオスペシフィック抗体、新たながん免疫療法
・免疫療法薬と分子標的療法の臨床的課題:
耐性の出現パターンと対処法
セッション:がん免疫療法薬・分子標的療法後の耐性: 出現パターンと対処法
周術期戦略
セッション: 早期非小細胞肺がん(NSCLC)におけるがん免疫療法薬と分子標的療法の周術期戦略とアブストラクト84O(口頭セッション2)
・リキッドバイオプシーを統合ゲノムサービスの一環として採用し、分子診断によるアウトカムを最大化する
セッション:分子診断の最新情報
・疾病負担軽減のための早期発見とスクリーニングに関する新提案
セッション:肺がんにおけるスクリーニングの活用、スクリーニングと早期発見
・QOLを向上させ、がんの転帰を改善するための支持療法戦略
セッション:支持療法によるがん転帰の最適化
・タバコ以外の環境要因その他のリスク要因の影響に関する基礎的な洞察
セッション:タバコ以外の肺がん:環境要因その他のリスク要因の影響、および基調講演 「大気汚染と肺がん」
基調講演
「Heine H. Hansen 2023賞基調講演(タイトル未定)」Heine H. Hansen 2023賞受賞者 Paul Baas氏(2023年3月29日 13:45-14:15 CEST)
「資源に制約のある状況下での肺がん診療の公平性と持続可能性」Clarissa Mathias氏( 2023年3月30日 09:30-10:00 CEST )
「大気汚染と肺がん」Charles Swanton氏 (2023年3月31日14:30-15.00 CEST)
- 監訳 廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)
- 翻訳担当者 奥山浩子
- 原文を見る
- 原文掲載日 2023年3月10日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
肉腫に関連する記事
FDAが進行滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルによるT細胞受容体療法を正式承認
2024年9月4日
若年者の再発/難治性ユーイング肉腫にEWS-FLI1転写阻害薬が有望
2024年8月28日
FDAが切除不能/転移性滑膜肉腫にアファミトレスゲン オートルーセルを迅速承認
2024年8月5日
肉腫・希少がん会議ー欧州臨床腫瘍学会2024
2024年3月29日