Enbrel(etanercept)化学療法による倦怠感を減少
キャンサーコンサルタンツ
2006年4月
Journal of Clinical Oncology誌で発表された研究によると、Enbrel®(エタナーセプト)による治療は、化学療法の集中投与治療中、一部の癌患者が経験する倦怠感と衰弱を減らす可能性がある。
予定通りに化学療法を行うことは、癌治療の成功につながる。しかし治療の副作用は、時に治療の遅れや用量の減少につながる。癌治療を受けている多くの患者にとって、倦怠感は一般的かつ衰弱を伴う副作用で、治療を難しくする場合もある。
Enbrelは、慢性関節リウマチ、乾癬、特定の他の病状を治療するために用いられる薬剤で、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)として知られている物質を遮断する。TNFは、一部の癌患者が経験する倦怠感と筋肉疲労に効果があると考えられている。
Enbrelの追加が毎週の化学療法薬Taxotere®(ドセタキセル)の高用量治療で患者の許容能力を改善させるかどうか評価するために、研究者らは26人の進行癌患者で試験を行った。
患者はすべて、従来の治療に反応がなかった癌、あるいは効果的な治療法がない癌にかかっていた。試験参加者の癌で最も一般的なタイプは、非小細胞肺癌、食道癌、頭頸部癌、甲状腺癌、胃癌であった。
患者は、タキソテール単独、またはタキソテールとEnbrelを投与された。タキソテールは、毎週、43mg/m2または52mg/m2投与された。
- 43mg/m2のタキソテール単独の投与を受けた患者では、タキソテールの36服用のうち29服用が投与可能であった。43mg/m2のタキソテールとEnbrelの投与を受けた患者では、タキソテールの36服用のうち35服用が投与可能であった。高用量のタキソテールは、低用量ほど許容の効果がなかった。研究者らは、43mg/m2が最大耐量であると結論した。
- Enbrelを受けた患者らからは、より少ない疲労が報告された。
研究者らは、Enbrelの追加が患者の疲労を減らすことで化学療法の許容範囲を改善するかもしれないと結論する。彼らはこのアプローチの今後の評価を推奨している。
参考文献:
Monk JP, Phillips G, Waite R et al. Assessment of Tumor Necrosis Factor Alpha Blockade as an Intervention to Improve Tolerability of Dose-Intensive Chemotherapy in Cancer Patients. Journal of Clinical Oncology. 2006; 24:1852-1959.
Journal of Clinical Oncology. 2006; 24:1852-1959.
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翻訳担当者 HAJI
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