免疫療法抵抗性肺がんにデュルバルマブ+セララセルチブ療法が有望

MDアンダーソンがんセンター

デュルバルマブ+セララセルチブが肺がん患者の免疫反応を高め、予後を改善することが第2相試験で明らかに

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者が主導した最新の研究によると、標的療法と免疫療法の特定の組み合わせは、非小細胞肺がん(NSCLC)患者に特有の免疫抵抗性を克服し、抗腫瘍活性を再活性化するのに有効である可能性がある。

第2相アンブレラ試験であるHUDSON試験の結果は、本日付けのNature Medicine誌に発表され、抗PD-L1抗体デュルバルマブとATR阻害薬セララセルチブの組み合わせが、評価された4つの組み合わせの中で最大の臨床的利益をもたらすことを証明した。

この組み合わせによる客観的奏効率(ORR)は13.9%であったのに対し、試験された他の組み合わせではわずか2.6%であった。無増悪生存期間(PFS)の中央値は5.8カ月対2.7カ月、全生存期間(OS)中央値は17.4カ月対9.4カ月であった。ATR阻害薬に対して腫瘍が反応しやすいことを示すATM異常を有する患者では、ORRは26.1%に上昇した。デュルバルマブ+セララセルチブの安全性プロファイルは、管理可能なものであった。

「進行非小細胞肺がん患者は、標準治療が奏効しない場合、大変な困難に直面します」と責任著者のJohn Heymach医学博士(胸部/頭頸部腫瘍内科科長)は述べた。「このような患者さんにとって選択肢は限られており、革新的なアプローチが早急に必要とされています。私たちの研究は、この満たされていないニーズに対処するための有望な進歩であり、このような患者さんの転帰を改善する、より効果的な治療戦略を提供する可能性を秘めています」。

本試験には、標準治療後に進行を認めた進行NSCLC患者268人が登録された。参加者の年齢中央値は63〜64歳で、58%が男性であった。

本試験の患者は、デュルバルマブと併用して、セララセルチブ(ATRキナーゼ阻害薬)、オラパリブ(PARP阻害薬)、ダンバチルセン(STAT3アンチセンスオリゴヌクレオチド)、オレクルマブ(抗CD73モノクローナル抗体)の4つの標的治療薬から1つを投与された。

治療に先立って腫瘍の分子的特徴が解析され、患者は、ATM異常、相同組換え修復欠損、STK11/LKB1異常、CD73高発現に基づいて、バイオマーカーが一致する治療コホートと一致しない治療コホートに分類された。

この結果に基づき、デュルバルマブ+セララセルチブは現在、免疫療法抵抗性のNSCLC患者を対象としたランダム化第3相試験が進められている。 

本試験はアストラゼネカ社の支援を受けた。著者および開示情報の一覧はこちらの論文を参照のこと。

  • 監訳 吉松由貴(呼吸器内科/University of Greenwich, Queen Elizabeth Hospital)
  • 翻訳担当者 工藤章子
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  • 原文掲載日 2024/02/13

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