FDAが切除不能ステージ3非小細胞肺がんにデュルバルマブを承認
速報
米国食品医薬品局は本日、デュルバルマブ(商品名:Imfinzi)を外科的に切除不能で、化学療法および放射線療法(化学放射線療法)による治療後にがんが進行していないステージ3非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療薬として承認した。
「これは、ステージ3の切除不能な非小細胞肺がんに対して、化学放射線療法後にがんが悪化しない場合に、がんの進行リスクを低下させるために承認された最初の治療法です」と、FDAのOncology Center of Excellenceセンター長でFDA医薬品評価研究センターの血液学・腫瘍製品室長を務めるRichard Pazdur医師は述べた。「外科的に切除できないステージ3の肺がん患者に対する、進行を予防するための現在のアプローチは化学放射線療法です。少数の患者は化学放射線療法で治癒することもありますが、最終的にはがんが進行する可能性があります。デュルバルマブが承認されたため、現在では、化学放射線療法後のがん進行をより長く抑制する新薬を利用することができます」。
米国国立衛生研究所の国立がん研究所によると、肺がんは米国におけるがん死亡の主要な原因であり、2017年に推定22万2500人が新しく診断され、15万5870人が死亡したという。最も一般的な種類の肺がんであるNSCLCは、肺の組織の中にがん細胞ができる場合に発生する。ステージ3のNSCLCは、腫瘍が付近のリンパ節に転移しているか、肺付近の他の部位に進展していることを示している。
デュルバルマブは、PD-1/PD-L1経路(体内の免疫細胞および一部のがん細胞に存在するタンパク質)を標的とする。PD-1とPD-L1の相互作用を遮断することによって、デュルバルマブは体の免疫系ががん細胞を攻撃するのを助ける可能性がある。デュルバルマブは、局所進行性または転移性膀胱がん患者の一部に対して、2017年に迅速承認された。
ステージ3の切除不能NSCLCに対するデュルバルマブの承認は、化学療法および放射線療法の完了後にがんが進行しなかった患者713人を対象としたランダム化試験に基づいている。この試験では、デュルバルマブまたはプラセボによる治療開始後に腫瘍が有意に増殖しなかった期間(無増悪生存期間)が測定された。無増悪生存期間中央値は、プラセボ群5.6カ月と比較してデュルバルマブ群は16.8カ月であった。さらに、治験依頼者は、化学療法および放射線療法後のデュルバルマブ投与後の生存期間(全生存期間)について、調査から得た追加情報をFDAに提供するという市販後契約に同意した。
ステージ3切除不能NSCLC患者におけるデュルバルマブの一般的な副作用には、咳、疲労、肺の炎症(肺臓炎/放射線肺炎)、上気道感染、呼吸困難および発疹がある。
デュルバルマブの重篤なリスクには、免疫介在性の副作用があり、肺(肺臓炎)、肝臓(肝炎)、結腸(大腸炎)、ホルモン産生腺(内分泌障害)、腎臓(腎炎)などで、体の免疫系が健康な細胞や臓器を攻撃する。デュルバルマブのその他の重篤な副作用には、感染症および注入に伴う反応がある。デュルバルマブは発育中の胎児に害を及ぼすことがあるため、妊婦には胎児に対する潜在的リスクについて助言し、効果的な避妊法を使用すべきである。
FDAはAstraZeneca社に対し、Imfinziを承認した。
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
肺がんに関連する記事
肺がん患者は病気や治療を肯定的に捉えると転帰が改善する可能性
2024年12月21日
欧州臨床腫瘍学会(ESMOアジア2024)ハイライト
2024年12月20日
米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認
2024年12月17日
STK11/KEAP1変異肺がんに免疫療法薬2剤+化学療法が有効
2024年11月18日
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らは、腫瘍抑制遺伝子であるSTK11/KEAP1に...