局所進行非小細胞肺がん患者に対する外照射放射線治療のガイドラインを承認
米国臨床腫瘍学会(ASCO)は本日、米国放射線腫瘍学会(ASTRO)が発行した局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者への外照射放射線治療に関するエビデンスに基づいたガイドラインを承認することを公表した。ASCOの承認は本日Journal of Clinical Oncology誌に発表された。
ASCOガイドライン承認委員会は、主要なASTRO推奨事項について以下のように要約している。
- 局所進行NSCLCの根治療法については、同時併用化学放射線療法が推奨される。その理由は、化学療法後に放射線療法を逐次併用する場合や、あるいは放射線療法単独と比較して、局所制御率や全生存率が向上するためである。
- 同時併用化学放射線療法に耐えられない患者については、化学療法後に根治照射を逐次併用することが推奨される。その理由は、放射線療法単独の場合と比較して、全生存率が向上するからである。集学的治療が不適格な患者に対しては、放射線療法を単独で用いてもよい。忍容性は向上するが、生存率が低下する可能性がある。
- 化学放射線療法前の導入化学療法のルーティン的施行は効果がない。
- 化学放射線療法後の補助化学療法のルーティン的施行は効果がない。しかし、この治療法は放射線療法中に全量の全身化学療法を投与されていない患者にとっては選択肢となる。
- 理想的な同時併用化学放射線療法レジメンは決定されていないが、最も一般的なレジメン2つは、シスプラチン+エトポシドとカルボプラチン+パクリタキセルである。
ASCOガイドライン承認委員会は、ASTROガイドラインの推奨事項は明確で一貫しており、科学的エビデンスに最大限に基づいているとしている。
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
肺がんに関連する記事
NRG1遺伝子融合陽性の肺がん・膵臓がんに初の標的薬ゼノクツズマブを承認
2025年4月7日
Zenocutuzumab[ゼノクツズマブ](販売名:ビゼングリ)が食品医薬品局(FDA)の迅速承認を受け、NRG1融合という非常にまれな遺伝子異常を有する腫瘍を標的とする初の薬剤とな...
切除可能肺がん(NSCLC)に術前ニボ+イピは、化学療法より良好な長期臨床効果
2025年3月14日
CheckMate 816試験の結果無作為化、非盲検、国際共同第3相CheckMate 816試験の探索的解析において、以下の結果が得られた。切除可能な非小細胞肺がん(NSCL...
進行/転移性肺がん(NSCLC)におけるダトポタマブ デルクステカンの有効性と安全性
2025年3月3日
TROPION-Lung05研究の結果国際共同第2相単群非盲検TROPION-Lung05試験において、TROP2を標的とする新規の抗体薬物複合体ダトポタマブ デルクステカン(...
米FDAがニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhy皮下注を承認
2025年2月3日
2024年12月27日、米国食品医薬品局(FDA)は、ニボルマブ(販売名:オプジーボ、Bristol Myers Squibb社)の承認済みの成人固形がん適応症に対して、単独療法、ニボ...