FDAが進行肺扁平上皮癌の治療にニボルマブの適応拡大を承認
米国食品医薬品局(FDA)ニュース
速報
米国食品医薬品局(FDA)は本日、プラチナ併用化学療法中または治療後に増悪した進行(転移性)肺扁平上皮癌患者の治療に対し、ニボルマブ(商品名:Opdivo[オプジーボ])の適応拡大を承認した。
肺癌は米国における癌死の主な原因であり、2014年には推定で224,210人が新たに診断され、159,260人が死亡した。最も一般的な種類の肺癌である非小細胞肺癌は、肺の細胞中に癌が形成されると発生し、肺癌の8分の7を占める。
ニボルマブは細胞表面にあるPD-1タンパク質という細胞シグナル伝達経路を阻害することで作用する。
この伝達経路は身体の免疫系による癌細胞への攻撃を抑制する。ニボルマブはプラチナ併用化学療法歴がある患者を対象としている。
FDA医薬品評価センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は、
「FDAは、2014年12月下旬に最初の結果が公表された際に、早期申請および重要な本臨床試験の審査を迅速に進めるため、率先して製薬会社と連携した」と述べている。「今回の適応拡大は、患者と医療従事者にニボルマブが延命効果をもたらすことを伝え、患者の治療と将来の肺癌臨床試験の指針となるだろう」。
肺扁平上皮癌の治療におけるニボルマブの有効性は、272人が登録されたランダム化臨床試験において確認された。本試験では135人がニボルマブを、137人がドセタキセルを投与されており、治療開始後の登録患者の生存期間(全生存期間)の評価を目的として計画された。ニボルマブ投与群ではドセタキセル投与群よりもおおよそ3.2カ月長く生存した。
肺扁平上皮癌の治療におけるニボルマブの安全性および有効性は、プラチナ併用化学療法と、少なくとも1レジメンの全身療法を追加で受けた後に増悪した患者117人が登録された単アーム試験によって確認されている。本試験は奏効率(ORR)と、部分的な腫瘍縮小または腫瘍の完全消失を経験した患者割合の評価を目的として計画された。試験結果は、奏効率が15%であり、そのうち59%の患者において6カ月以上の奏効期間が得られた。
ニボルマブの最も一般的な副作用は、疲労、息切れ、筋骨格痛、食欲低下、咳、吐き気および便秘である。最も重大な副作用は、肺、直腸、肝臓、腎臓および内分泌腺を含む健康な臓器への免疫的機序による重篤な副作用である。
ニボルマブは肺扁平上皮癌の治療薬として、優先審査プログラムの下でFDAによって評価された。同プログラムは、承認された場合に重篤疾患の治療の安全性または有効性に顕著な改善をもたらすであろう重篤疾患治療薬の審査を迅速に進める制度である。処方薬ユーザーフィー法に基づくFDAによるニボルマブ申請の審査完了期日は2015年6月22日だが、3カ月以上早い承認となる。
FDAは、他の薬剤に反応しない外科的切除不能または転移性の悪性黒色腫患者の治療薬として、すでにニボルマブを承認していた。
ニボルマブはニュージャージー州プリンストンに本拠を置くBristol-Myers Squibb社が製造販売している。
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