術前化学療法により非小細胞肺癌の生存率が改善

キャンサーコンサルタンツ

非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前ネオアジュバント化学療法によって死亡リスクが有意に低下したことを示すメタ解析結果がLancet誌に掲載された。

世界中で肺癌は癌関連死因の首位であり、米国ではNSCLCが肺癌の75~80%を占めている。外科的切除可能な肺癌患者を対象として、術前ネオアジュバント化学療法および術後アジュバント化学療法の有用性を検証する複数の試験がこれまでに実施されている。

研究者らは術前化学療法の有用性を評価するため、この目的に適したランダム化比較試験15試験(患者総数2,385人)を対象として、メタ解析を実施した。

解析の結果、術前化学療法を受けた患者の全生存率は有意な改善を示し、特に死亡リスクは13%低下した。5年生存率は40%から45%と5%上昇した。さらに、化学療法の種類、投与された薬剤の数によって効果が異なるというエビデンスはなかった。また、年齢、全身状態(PS)、性別、組織構造、病期、術後放射線治療の有無も、術前化学療法の効果に影響を及ぼさないと推測された。

術前化学療法によって無再発生存率および遠隔再発までの期間は有意に改善された。具体的には、5年無再発生存率が30%から36%に改善した。術前化学療法を受けた患者における局所領域再発までの期間についても、有意差はないが改善がみられた。

研究者らは、術前化学療法により、切除可能な非小細胞肺癌の全生存率、無再発生存率および遠隔再発までの期間が改善すると結論づけた。

参考文献
NSCLC Meta-analysis Collaborative Group. Preoperative chemotherapy for non-small cell lung cancer: a systematic review and meta-analysis of individual participant data. The Lancet. Published early online February 25, 2014. doi:10.1016/S0140-6736(13)62159-5


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翻訳担当者 松木宏樹

監修 小宮武文(腫瘍内科/カンザス大学医療センター)

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