FDAがROS1陽性肺がん(NSCLC)にレポトレクチニブを承認
米国食品医薬品局(FDA)
2023年11月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、局所進行性または転移性のROS1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、repotrectinib[レポトレクチニブ](Augtyro、Bristol-Myers Squibb Company)を承認した。
今回は、チロシンキナーゼ阻害剤未治療の患者に加え、ROS1 TKI投与歴のあるROS1陽性NSCLC患者を含む初めてのFDA承認となる。
承認は、ROS1陽性の局所進行または転移性NSCLC患者を対象とした国際、多施設共同、単群、非盲検、マルチコホート臨床試験であるTRIDENT-1試験(NCT03093116)に基づいている。プラチナ製剤ベースの化学療法および/または免疫療法を1ラインまで治療をしたROS1 TKI未治療患者71人と、プラチナ製剤ベースの化学療法または免疫療法未治療ROS1 TKIを1ライン治療した患者56人を対象に有効性が評価された。
有効性の主要評価項目は、RECIST v1.1に基づく盲検独立中央判定判定により評価された奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)であった。ROS1 TKI未治療群のORRは79%(95%信頼区間 (CI):68、88)であり、ROS1阻害剤の治療歴のある患者では38%(95%CI:25、52)であった。DOR中央値はそれぞれ34.1カ月(95%CI:25.6、評価不能)、14.8カ月(95%CI:7.6、評価不能)であった。測定可能な中枢神経系転移を有する患者の頭蓋内病変、およびTKI治療後に耐性変異を有する患者において奏効が認められた。
特に多くみられた有害事象(20%以上)は、めまい、味覚異常、末梢神経障害、便秘、呼吸困難、運動失調、疲労、認知障害、筋力低下であった。
推奨されるレポトレクチニブの用量は、1日1回160 mgを14日間、食事の有無にかかわらず経口投与し、その後160 mgを1日2回に増量し、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで継続する。
Augtyroの全処方情報は今後こちらに掲載予定である。
- 監訳 田中 謙太郎 (呼吸器内科、腫瘍内科、免疫/九州大学病院 呼吸器科)
- 翻訳担当者 後藤 若菜
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- 原文掲載日 2023/11/16
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