進行した非小細胞肺癌の放射線治療には標準線量が高線量よりも効果的

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第3相臨床試験ではステージ3の非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に対して、放射線治療における標準線量が高線量よりも有効であった。この結果は、2013年米国臨床腫瘍学会(ASCO)の第49回年次総会で報告される予定である。

放射線治療は多くのNSCLC患者の治療に重要な役割を果たしている。情況により放射線治療単独あるいは手術または化学療法など他の癌治療法との併用で行われる。非常に有効性に優れているが毒性はそれほど強くない最適放射線量を明確にするには、異なる線量を直接比較する臨床試験が必要である。

研究者は、放射線治療の標準線量と高線量を比較するために、ステージ3のNSCLC患者464人に第3相臨床試験(RTOG 0617)を実施した。患者は、60グレイの標準線量または74グレイの高線量に、無作為に割り当てられた。患者はまた、セツキシマブ(アービタックス)を含む化学療法またはセツキシマブを含まない化学療法を受けた。研究者は、高放射線量の方がより適切に癌の抑制ができると予想していた。

試験結果は、標準線量の放射線治療の方が高線量の放射線治療に比べて生存期間が長く、癌の再発リスクが低く、副作用も少ないことを示した。

  • 全生存期間の中央値は標準線量では28.7カ月、高線量では19.5カ月であった。
  • 18カ月後、局所再発率は、標準線量で治療した患者の場合25%であったが、高線量で治療した患者では34%であった。
  • 標準線量グループの治療関連死が2人であったが、高線量グループの治療関連死は10人であった。

これらの結果は、高線量の放射線治療に比べて標準線量の放射線治療の方がより有効で耐容線量も好ましいことを証明している。放射線量がより少ない治療で有効な結果が得られたという事実は患者にとって朗報である。

参考文献:Bradley JD, Paulus R, Komaki R et al. A randomized phase III comparison of standard-dose (60 Gy) versus high-dose (74 Gy) conformal chemoradiotherapy with or without cetuximab for stage III non-small cell lung cancer: Results on radiation dose in RTOG 0617. Presented at the 49th Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology. May 31-June 4, 2013; Chicago, IL. Abstract 7501.


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翻訳担当者 大木勝弥

監修 中村光宏 (医学放射線/京都大学大学院医学研究科)

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