ganetespib は進行肺癌に有望

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第2相臨床試験において、化学療法に治験薬であるガネテスピブ[ganetespib]を併用した二次治療が、進行肺腺癌患者の全生存期間を改善した。これらの結果は、2013年米国臨床腫瘍学会年次総会で発表された。

肺の腺癌は、最も一般的なタイプの肺癌である。喫煙が肺腺癌の主要な危険因子であるが、非喫煙者においても、肺腺癌は最も一般的なタイプの肺癌である。

ガネテスピブは、熱ショックタンパク質(Hsp)90として知られているタンパク質を標的とした治験薬である。肺癌において重要な役割を担っていることがわかっている他の複数タンパク質が機能するのにHsp90は必要である。

進行肺腺癌治療におけるガネテスピブの効果を評価するために、研究者らは第2相臨床試験(GALAXY-1試験)を行った。この試験には、標準化学療法を受けたにもかかわらず増悪したステージ4の患者252人が登録された。患者は、化学療法剤であるドセタキセル単独療法あるいはガネテスピブとの併用療法を受けた。

  • ガネテスピブを併用することで、全生存期間が改善された。全生存期間は、ドセタキセル単独療法を受けた患者で7.4カ月であったのに対し、ドセタキセルとガネテスピブの併用療法を受けた患者では9.8カ月であった。
  • ガネテスピブの併用が特に有効であったのは、試験が始まる少なくとも6カ月前に転移性肺癌であると診断された患者であった。このサブグループにおける全生存期間は、ドセタキセル単独療法を受けた患者で6.4カ月であったのに対して、ドセタキセルとガネテスピブの併用療法を受けた患者では10.7カ月であった。

これらの結果から、ガネテスピブが進行肺腺癌患者の予後を改善する可能性が示唆された。現在実施中の第3相臨床試験でこれらの結果が確認されれば、ガネテスピブはこのタイプの肺癌患者に対する治療の新たな選択肢となるだろう。

参考文献:

Ramalingam SS, Goss GD, Andric ZG et al. A randomized study of ganetespib, a heat shock protein 90 inhibitor, in combination with docetaxel versus docetaxel alone for second-line therapy of lung adenocarcinoma (GALAXY-1). Presented at the 49th Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology. May 31-June 4, 2013; Chicago, IL. Abstract CRA8007.


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翻訳担当者 田村克代

監修 大渕俊朗(呼吸器・乳腺分泌・小児外科/福岡大学医学部)

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