非小細胞肺癌患者の一部で有望な長期生存率が得られたワクチン
- 非進行性の肺癌患者では生存率が改善
- ステージ3Bおよび4の患者における5年後生存率は50%
シカゴ発―第2相臨床試験の長期追跡調査で、治療ワクチンであるベラゲンプマツセル-Lによる治療を行ったステージ3Bまたは4の非小細胞肺癌患者において有望な生存率が示された。本知見は2012年3月31日~4月4日に開催のAACR年次総会で発表された。
「一部の患者で非常に長期間の生存が得られる可能性を持った新しい免疫療法です」。カリフォルニア大学サンディエゴ校ムーアズがんセンター(カリフォルニア州La Jolla)准教授であるLyudmila Bazhenova医師はこう述べた。
今回の知見は、ベラゲンプマツセル-L(肺癌細胞株をベースとした同種ワクチン)治療を行った患者の長期的な生存に関する最新の分析結果によるものだ。
今回のオープンラベル試験では非小細胞肺癌(NSCLC)患者75人の参加を得た。ステージ2の患者が2人、ステージ3Aが12人、ステージ3Bが15人、ステージ4が46人である。研究者は患者を3つの用量群(細胞数1.25, 2.5, 5×107個/1回接種)にランダムに割り付けた。
全患者における生存期間中央値は14.5カ月、5年生存率は20%であった。2.5および5×107個接種群に割り付けられたステージ3Bおよび4の患者40人における生存期間中央値は15.9カ月で、1年生存率61%、2年生存率41%、5年生存率18%であった。
ステージ3Bまたは4で化学療法後に安定以上の結果が得られた患者は生存期間中央値が44.4カ月、5年後生存率50%であり、「NSCLC患者でこのようなことは聞いたことがない」とBazhenova氏は述べている。
対照的に、化学療法による一次治療後に進行と判断された患者の生存期間中央値は14.1カ月、5年後生存率は9.1%であった。
Bazhenova氏は、今回の結果は非常に興味深いが現在8カ国で進行中の第3相臨床試験により確認すべきであると述べている。
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