Xyotax/非小細胞肺癌治療Xyotax®で閉経前女性の生存率改善
キャンサーコンサルタンツ
2005年11月
2つの大規模臨床試験STELLAR 3 と STELLAR 4のレトロスペクティブなサブグループ解析で、他の標準化学療法に比べXyotaxRは閉経前の進行非小細胞肺癌女性で生存率を向上させることが証明された。これらの結果は2005年度Chemotherapy Foundation Symposiumで発表された。
タキソール(パクリタキセル)は世界で最も一般的に使用される化学療法薬であるが、パクリタキセルに関連する毒性のために患者のQOLの悪化や、投与量の減少をひきおこしうる。Xyotaxはパクリタキセルの活性成分をポリグルタミン酸ポリマーに結合させた薬である。ポリマーは正常細胞への副作用を回避しつつ、癌細胞には高レベルの活性成分の送達を可能にする。
STELLAR3とSTELLAR4と呼ばれる前回の臨床試験は、比較的パーフォーマンスステータス(PS)の低い(*全身状態の悪い)進行NSCLC(非小細胞肺癌)患者における Xyotax/パラプラチン®(パラプラチン)対 パラプラチン/タキソール (STELLAR3)、 またはXyotax 単剤対ジェムザール®(ゲムシタビン)/ナベルビン®(ビノレルビン) (STELLAR 4)の直接比較であった。STELLAR3,4試験の結果は、これらの患者で有意に生存率に差はなかった。しかしながら、ある一部の患者でのレトロスペクティブ解析でエストラジオールの基準値が高い患者でXyotaxの効果が顕著に現れることが研究者によって発見された。STELLAR3試験では、治療前の血漿中エストラジオール値が30pg/ml以上の女性は化学療法群よりもXyotax群で有意に生存率が向上したことから、サブグループのpost-hoc解析が必要であろう。
- ・ STELLAR3試験において高エストラジオール値の女性の生存期間の中央値は、Xyotax群で300日、パラプラチン/タキソール群で167日であった(p=0.039)。
- ・ STELLAR3、4試験をあわせたすべての女性の全生存期間の中央値は、Xyotax治療群でどちらの化学療法レジメンに比較しても約2ヶ月長かった(それぞれ9.4ヶ月対7.7 ヶ月 p=0.03)。しかしながら、55歳未満の女性においてのみ有意であるとされた。
- ・ Xyotax群の55歳未満の女性では、化学療法群に比べて有意な生存率の改善がみられた(10ヶ月対5.2ヶ月(p=0.038))。
- ・ STELLAR3、4合わせた全女性の間での1年生存率はXyotax治療を受けた女性では40%、他の化学療法を受けた女性では25%であった。
- ・ これらの試験で、Xyotaxもしくは化学療法を受けた男性患者においては生存率に差はなかった。
- ・ Xyotaxは、どの化学療法と比較しても有意に毒性の減少と関連付けられた。
研究者らは以下の結論に達した。
- ・ Xyotax単剤で、化学療法を受けていないPS2の進行NSCLC患者においてジェムザール/ナベルビンと同等の生存率を有し、毒性はより少ない。
- ・ Xyotax/パラプラチンは、同じ対象者においてタキソール/パラプラチンと同等の生存率を有する。
- ・ 化学療法を受けていない進行NSCLC女性は、標準化学療法に比較してXyotax群で(単剤またはパラプラチンと併用で)有意な生存率の改善がみられた。
- ・ Xyotaxは、NSCLCにおいて標準療法より副作用が少ないとみられる。
NSCLCの女性を対象としてXyotaxと化学療法を比較する臨床試験が始められている。
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