スーテント(スニチニブ、SU11248) /進行非小細胞肺癌で示されたSutent®の有望性

キャンサーコンサルタンツ
2006年6月

2006年の米国臨床腫瘍学会総会で報告された第2相予備試験の結果によれば、Sutent(sunitinib)により、治療歴のある進行性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者の9.5%に部分奏効がみられ、41%で病勢安定が確認された。

 Sutentは、fms様チロシンキナーゼ3(Flt3)、Kit、血管内皮増殖因子(VEGF)および血小板由来増殖因子(PDGF)受容体に対する経口キナーゼ阻害剤である。Sutentは抗血管新生作用のほか、癌細胞の直接殺細胞作用を含む機序を標的とすることによって抗癌作用を発揮する。Sutentは、進行性腎細胞癌の治療や、消化管間質腫瘍に対してグリベックR(イマニチブ)を用いた治療中に進行を来したか、不耐であった患者の治療について承認されている。

 標準療法後に進行を来したNSCLC患者におけるSutentの効果を明らかにするため、患者63人を対象とする第2相臨床試験が実施された。患者は4週間にわたり毎日Sutent50mgを服用し、2週間休薬した。

・部分奏効6人(9.5%)
・病勢安定26人(41%)
・軽度から中等度の副作用は、倦怠感、吐気、呼吸困難、嘔吐、食欲不振および下痢などであった
・重度の副作用は頻度が低く、重度の倦怠感(19%)、呼吸困難(13%)、無力症(9.5%)および吐気/嘔吐(7%)であった
・肺出血により患者2人が死亡、脳出血により1人が死亡

 研究者らは、Sutentは忍容性が高く、単独投与または他剤との併用により肺癌の治療に活用できる薬剤であるとの結論を下した。今回の試験は、ほかの治療法が無効であった進行肺癌患者を対象としてSutentを単独で評価した初めての試験であった。


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved. These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein. Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc. 本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。 Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 Nobara

監修 榎本 裕(泌尿器科)

原文を見る

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

肺がんに関連する記事

免疫療法薬2剤併用+化学療法はSTK11/KEAP1変異肺がんに有効の画像

免疫療法薬2剤併用+化学療法はSTK11/KEAP1変異肺がんに有効

進行非小細胞肺がんでSTK11/KEAP1変異を有する患者への併用療法により転帰が改善

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らは、腫瘍抑制遺伝子であるSTK11/KEAP1に...
先住民地域のラドン曝露による肺がんリスクの低減を、地域と学術連携により成功させるの画像

先住民地域のラドン曝露による肺がんリスクの低減を、地域と学術連携により成功させる

2024年ASCOクオリティ・ケア・シンポジウム発表の新研究ASCOの見解(引用)
「ラドンへの曝露は肺がんのリスクを高めますが、いまだに検査が行われていない住宅が多くあります。...
世界肺癌学会2024で発表されたMDアンダーソン演題(非小細胞肺がん)の画像

世界肺癌学会2024で発表されたMDアンダーソン演題(非小細胞肺がん)

特集:術前・術後の免疫療法、HER2およびEGFR遺伝子変異を標的とした治療など、肺がん治療における有望な臨床的進歩テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究ハイライトでは...
肺がん手術と腫瘍病理診断の質の向上により術後生存期間が延長の画像

肺がん手術と腫瘍病理診断の質の向上により術後生存期間が延長

2024年ASCOクオリティ・ケア・シンポジウム発表の新研究ASCOの見解「過去15年間にわたり、ミシシッピ・デルタ中心部における質改善の取り組みは、この高リスク集団の...