3A期非小細胞肺癌の患者の一部では放射線療法が最良の選択であるかもしれない
キャンサーコンサルタンツ
2007年3月
欧州癌研究治療機関(EORTC)のLung Cancer Group(肺癌グループ)に所属する研究者らは、化学療法が奏効する3A期N2非小細胞肺癌(NSCLC)の患者はその後放射線療法を行う群と手術を行う群とで同等の生存率を得られたと報告している。この研究の詳細は2007年3月21日発行のJournal of the National Cancer Institute誌に記載されている。
3A期N2非小細胞肺癌の患者は全身状態がよければ手術を、よくない場合は放射線療法を受ける。手術を受ける患者に対して補助放射線療法は局所的な再発率を低下させるが、多くの場合生存期間を延長しない。切除可能な3A期非小細胞肺癌の患者において手術と放射線療法が同等であるかどうかという疑問が残されている。以前にRadiation Oncology Study Group(放射線腫瘍学研究グループ)によって行われた小規模臨床試験では術前化学療法(関連ニュース省略)に奏効する患者において放射線療法は手術と同等であることを示唆している。
最新の臨床試験ではプラチナベースの術前化学療法に奏効した3A期非小細胞肺癌の患者332例を組み込んだ。患者は手術または放射線療法を受ける群に無作為に割り付けられた。下の表はこの臨床試験の主な結果の要約である。
手術 | 放射線療法 | |
患者数 | 167 | 165 |
切除を受けた患者数 | 154 | NA |
術後の放射線照射 | 40% | NA |
試験的開胸術 | 14% | NA |
根治切除 | 50% | NA |
病理学的病期の低下 | 42% | NA |
病理学的完全奏効率 | 5% | NA |
術後または治療による死亡 | 4% | 1% |
生存期間中央値 | 16.4ヶ月 | 17.5ヶ月 |
5年生存率 | 15.7% | 14% |
NA :非適用
放射線療法は発病率および死亡率との関連が低いのでネオアジュバント化学療法に奏効する病期3Aの患者の治療選択であると、これらの著者は示唆している。
参考文献:
Van Meerbeeck JP, Kramer GWPM, Schil PEYV, et al. Randomized controlled trial of resection versus radiotherapy after induction chemotherapy in stage IIIA-N2 non-small cell lung cancer. Journal of the National Cancer Institute 2007;99:442-450.
コメント:
これらのデータはRadiation Oncology Study Group(放射線腫瘍学グループ)によって米国内で実施された、さらに小規模な臨床試験のデータと一致する。
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関連記事:NCIキャンサーブレティン2007/3/27号ハイライト
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