経口チロシンキナーゼ阻害薬Axitinib、非小細胞肺癌に活性を示す

キャンサーコンサルタンツ
2007年6月

多施設試験に携わった研究者らの報告によると、Axitinib〔アクシチニブ〕(AG-01376)は進行非小細胞肺癌患者に対して単剤で有意な活性を示す。この第2相試験の詳細は、2007年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された。

Axitinibは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)-1、2、3を選択的に阻害する経口剤であり、肺癌、甲状腺癌そして場合によっては膵臓癌で活性を示す。多施設非盲検(オープンラベル)第2相試験では、32名の進行非小細胞肺癌患者を対象にAxitinibの有効性と安全性の評価が実施された。その患者背景は、72%が前治療として化学療法を、半数が前治療として放射線療法を受けており、56%が男性であった。多くの患者(75%)は、腺癌であった。3名の患者(9%)に客観的奏効が認められ、生存期間中央値は12.8ヶ月。無増悪期間中央値は5.8ヶ月であった。患者の81%は、有効性が認められないことにより治療を中止した。研究者らは、Axitinibの単独投与としての活性が示されたと結論づけた。この対象患者におけるAxitinibの忍容性は良好であることも明らかとされた。最も一般的な有害事象は、倦怠感、食欲不振、下痢および高血圧であった。

コメント

Axitinibは、非小細胞肺癌治療に対して活性を示すことができる新たな血管新生阻害剤である。

参考文献

Schiller JH, Larson T, OU SI, et al. Efficacy and safety of Axitinib (AG-013736;AG) in patients (pts) with advanced non-small cell lung cancer (NSCLC): A Phase II trial. Proceedings from the American Society of Clinical Oncology Conference. Chicago/IL. 2007. Abstract # 7507

(サイト内関連記事:経口Axitinib+タキソテールが転移性乳癌において優位性を示す


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