2007/05/01号◆FDA最新情報「ジェネンテック社とFDAはアバスチンに関する警告を発行」
同号原文|
NCI Cancer Bulletin2007年5月1日号(Volume 4 / Number 16)
____________________
◇◆◇FDA最新情報 ◇◆◇
ジェネンテック社とFDAがアバスチンに関する警告を発行
4月21日、ジェネンテック社およびFDAは、最近行われた限局性小細胞肺癌(SCLC)患者における臨床試験でみられた気管食道瘻の形成に関し、新たに重要な安全性情報を医療専門家に通達した。この多施設、非ランダム化、シングルアーム第2相試験では、化学療法と放射線療法にアバスチンを加えた併用療法を調べた。この試験での最初の登録者29人のなかで、重篤な気管食道瘻の2症例(1例は死亡)の確認が報告された。3例目として、死亡に至った事例(上気道消化管部位の出血と原因不明の死亡)も報告され、この症例では気管食道瘻が疑われたが確認されなかった。これらの3事例はアバスチン維持相において、持続性食道炎がみられるなかで起こったことである。さらに、他のアバスチン併用化学療法単独、または同時放射線療法を用いた肺癌/食道癌試験でも6症例の気管食道瘻が報告されている。
アバスチンはSCLC治療に承認されていない。アバスチンを用いた大腸癌および他の癌の患者における消化管瘻の記載は現行の処方情報に含まれている。ジェネンテック社はアバスチンの薬剤添付所に、アバスチン治療を受けた患者にみられたすべての瘻形成症例に関するさらに詳しい情報を記載するよう改定する予定である。
全報告はこちらを参照:http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/safety07.htm#Avastin
************
野中 希 訳
林 正樹 (血液・腫瘍医) 監修
************
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
肺がんに関連する記事
肺がん患者は病気や治療を肯定的に捉えることで転帰が改善する可能性
2024年12月21日
欧州臨床腫瘍学会(ESMOアジア2024)ハイライト
2024年12月20日
米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認
2024年12月17日
STK11/KEAP1変異肺がんに免疫療法薬2剤+化学療法が有効
2024年11月18日
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らは、腫瘍抑制遺伝子であるSTK11/KEAP1に...