Veltuzumabはリツキサン抵抗性のCD20陽性非ホジキンリンパ腫に有効である

キャンサーコンサルタンツ
2009年7月

ヒト化モノクローナル抗体veltuzumab〔ベルツズマブ〕が以前にリツキサンⓇ(リツキシマブ)で治癒しなかったCD20陽性非ホジキンリンパ腫(NHL)患者に対して顕しい効果があると米国多施設試験の研究者らが報告した。この第1相、第2相試験の詳細は2009年7月10日発行のJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。[1]

VeltuzumabはB細胞NHLおよび慢性リンパ性白血病(CLL)の治療のためにImmunomedic社が開発したヒト化、第2世代抗CD20モノクローナル抗体である。Veltuzumabは作用機序において、リツキサンより有利かもしれない可能性が生体外試験により示された。VeltuzumabはNHL患者、CLL患者および特発性血小板減少性紫斑病患者において低用量での皮下投与による臨床試験が現在行われている。

リツキサンを含む療法など複数の治療法で治癒しなかった82人の再発性NHL患者で今回試験が行われた。55人の濾胞性リンパ腫患者では、完全寛解率は27%であり、全奏効率は44%であった。完全寛解した患者の寛解期間中央値は19.7カ月であった。また6人の辺縁帯リンパ腫患者中5人に奏効がみられ、そのうち2人は完全寛解であったと報告された。7人のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫のうち3人は部分寛解になった。これらは比較的低用量の抗体を用いて得られた結果であり、有意な毒性は見られなかった。

コメント:
これらの結果は非常に印象的であり、veltuzumabは非常に大きな市場におけるリツキサンの有力なライバルになり得ることを示唆している。

参考文献:
[1]Morschhauser F, Leonard JP, Fayad L, et al. Humanized anti-CD20 antibody, veltuzumab, in refractory/recurrent non-Hodgkin’s lymphoma: Phase I/II results. Journal of Clinical Oncology. 2009;27:3346-3353.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 張 知子

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

原文を見る

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

リンパ腫に関連する記事

ニボルマブは進行ホジキンリンパ腫の治癒率向上につながる可能性の画像

ニボルマブは進行ホジキンリンパ腫の治癒率向上につながる可能性

免疫療法薬ニボルマブ(オプジーボ)が、進行した古典的ホジキンリンパ腫を患う10代以上の患者に対する一次治療の一部を成すことが、NCI資金提供による大規模臨床試験の最新結果で示された。

約...
CAR-T細胞療法後の二次がんリスクを知るの画像

CAR-T細胞療法後の二次がんリスクを知る

2023年11月、米国食品医薬品局(FDA)は、CAR-T細胞療法を受けた人において二次がん、特にT細胞リンパ腫が発生した20例以上を調査中であると発表した。いくつかの例では、CAR-...
ASCO2024:ダナファーバーがん研究所の発表(リンパ腫、乳がん、脳腫瘍)の画像

ASCO2024:ダナファーバーがん研究所の発表(リンパ腫、乳がん、脳腫瘍)

米国臨床腫瘍学会(ASCO2024)年次総会で発表された研究結果
ダナファーバーがん研究所の研究者らは、中枢神経系(CNS)リンパ腫、乳がん、神経膠芽腫の患者の治療において有望な結果をも...
抵抗性アグレッシブB細胞リンパ腫への5剤併用療法で持続的寛解の画像

抵抗性アグレッシブB細胞リンパ腫への5剤併用療法で持続的寛解

米国国立衛生研究所(NIH)の研究者らは、化学療法を用いない治療法を開発した。この療法は、再発した、あるいは標準治療が効かなくなったアグレッシブB細胞リンパ腫の一部の患者に対し...