初の末梢T細胞リンパ腫治療薬FolotynをFDAが承認
FOR IMMEDIATE RELEASE:2009年9月25日
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初の末梢T細胞リンパ腫治療薬FolotynをFDAが承認
米国食品医薬品局(FDA)は、多くが高悪性度の非ホジキンリンパ腫の1タイプ、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)として知られる癌の初の治療薬Folotyn(プララトレキサート)を承認した。Folotynは、まだ応えられていない医療上のニーズを満たす薬剤の承認促進を目的としたFDAの迅速承認制度により承認されたもので、再発患者または他のタイプの化学療法に十分反応しなかった患者に対して認められた。
リンパ腫は免疫系の一部であるリンパ系の癌である。リンパ腫には多くのタイプがあり、1つはホジキン病と呼ばれ、それ以外のタイプは非ホジキンリンパ腫と呼ばれる。PTCLは、T細胞という白血球の1種と関連する比較的まれな疾患であり、米国における毎年の発症数は9,500人に満たない。
「Folotynの承認は、一般的でないまれな疾患を対象とした薬剤の迅速承認にFDAが取り組んでいることを証明している」と、FDA医薬品評価研究センター抗腫瘍薬製品室長Dr. Richard Pazdur氏は述べた。
新薬について試験を行う場合、余命が延びるあるいは気分がよくなるなど、薬剤によって本当に患者が改善するかどうか判明するまでに時間がかかる。この本当の改善は1つの「臨床転帰」として知られる。1992年、FDAは代替評価項目(臨床転帰の間接的なあるいは代替の指標となる臨床検査値または身体的な徴候)に基づいて薬剤の承認を繰り上げる迅速承認制度を設けた。
Folotynの場合、FDAは、本剤が腫瘍サイズを縮小させるという根拠に基づいて承認したこととなる。腫瘍の縮小により、癌患者の生存期間の延長などの臨床上の利益が予測されると考えるのが妥当だからである。腫瘍の縮小は、1試験において画像スキャンで確認された。その試験では、PTCL患者109人の27%で腫瘍が縮小した。
早期に使用が開始できるよう、Folotynは優先審査(標準審査が10カ月以内であるのに対し、6カ月以内で審査される)の対象に指定された。また、オーファンドラッグにも指定されていた。オーファンドラッグとは、希少疾患を有する少数の患者向けの薬剤を開発する製薬会社に、金銭面でさまざまな優遇措置がとられる薬剤のことである。
Folotynにもっとも多くみられた有害反応は、粘膜の刺激症状と痛み(唇、口、消化管)、血小板数減少、白血球数減少、発熱、悪心、および倦怠感であった。
Folotynは胎児に害を及ぼす可能性がある。本剤の投与を受ける女性は避妊をし、妊婦に対しては考えられるリスクについて説明すべきである。
Folotynの投与を受ける患者は葉酸およびビタミンB12を補い、粘膜の刺激を軽減する必要がある。
Folotynは、コロラド州ウェストミンスターAllos Therapeutics Inc.社が製造している。
迅速承認の条件として、Allos社は、腫瘍の縮小により患者の生存期間の延長が実際に予測されることを確認する試験を実施する。
[url=http://www.fda.gov/ForConsumers/ByAudience/ForPatientAdvocates/SpeedingAccesstoImportantNewTherapies/ucm128291.htm]詳細情報はこちら(原文)[/url]
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北本明子 訳
金田 澄子 (薬学)監修
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