FDAが乳房インプラント関連の未分化大細胞リンパ腫情報を改訂
[2017年3月12日]
形成外科、腫瘍科、患者向け
問題点:米国食品医薬品局(FDA)は、乳房インプラント関連の未分化大細胞リンパ腫(BIA-ALCL)についての同局の見解を改訂し、世界保健機関(WHO)指定との整合性を図った。WHOでは、BIA-ALCLは乳房インプラントの移植後に発症する可能性があるまれなT細胞リンパ腫と規定している。現時点での大部分のデータから推測すると、表面構造がなめらかなスムーズタイプのインプラントよりも表面がざらざらしたテクスチャードタイプのインプラントを移植した後に、BIA-ALCLが多く発症すると考えられる。BIA-ALCLはまれな病態であるが、発現する場合は、遅発的に持続する漿液腫の治療として、インプラント・リビジョン(補修)手術を受けた患者で最も多く確認されている。世界規模での報告に限界があることやグローバルなインプラント販売データが不足していることから、正確な症例数を把握することは依然として困難である。
医療機器の報告および医学文献に関する要約、患者ケアの推奨事項などの追加情報については、FDAの改訂情報を参照のこと。
背景:FDAは2011年、乳房インプラントがまれなタイプの非ホジキンリンパ腫である未分化大細胞リンパ腫(ALCL)の発症に関連している可能性を確認した。FDAは、乳房インプラント移植を受けた女性に発症したALCLに関する情報収集と評価を継続する。
推奨:
医療従事者:乳房インプラントが移植された患者を診ている場合、定期的なケアとサポートを継続して行う必要がある。通常、疼痛、しこり、腫れ、または左右非対称など、遅発性の症状がある患者でのみ確認されているため、無症状の患者または他に異常が認められない患者に対する予防的な乳房インプラント除去は推奨されない。注意すべきことは、BIA-ALCLの発生が確認された大部分の症例はテクスチャードタイプの乳房インプラントが移植された女性だったということである。医療従事者は、手術前に製造会社の添付文書やその他の教材を患者に提示し、さまざまな種類のインプラントの有用性とリスクについて、患者と議論する必要がある。
患者:
乳房インプラントの移植を受ける前に、表面構造がテクスチャードタイプとスムーズタイプの乳房インプラントの有用性とリスクについて、必ず医療従事者に相談すること。乳房インプラントがすでに移植されている場合、定期診療やフォローアップを変更する必要はない。
医療従事者および患者は、乳房インプラントが移植されている女性に発症したすべてのALCL確認症例について、FDAのMedWatch Safety Informationおよび有害事象報告プログラムに以下の要領で報告するよう努めること:
- 報告書に必要事項を記入し、オンラインで提出する:www.fda.gov/MedWatch/report
- 書式をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話をして報告用書式を請求する。その後、必要事項を記入し、住所記載済みの書式にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178にファックスで送付する。
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