BiovaxID/濾胞性リンパ腫向けBiovaxIDワクチンの長期結果報告

キャンサーコンサルタンツ
2005年12月

国立癌研究所(NCI)とAccentia Pharmaceuticals Inc.の研究者は 、臨床的完全寛解期到達後にBiovaxIDを受けた、濾胞性リンパ腫患者に関する第2相臨床試験の9年間の追跡調査結果報告と、現在進行中の第3相無作為化臨床試験の現状報告をしました。この情報は2005年[1]12月のアメリカ血液学会47回年次総会にて提示されたものです。

BiovaxIDは特定患者向け抗イディオタイプワクチンで、第2相臨床試験で評価され、1999年[2]に初めて報告されました。この癌特定イディオタイプはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に接合されており、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(ロイキン®、sargramostim)と共に投与されています。

この以前のレポートでは、化学療法完了時点で検出可能な転座が認められる11名中8名の患者が、ワクチン療法を継続し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって検出される転移をなくすことで転座がなくなるという形の完全寛解を達成しました。

これらのすべての患者において腫瘍特異性CD4+およびCD8+T細胞が検出可能でしたが、抗体反応はそれほど見られず、臨床的寛解には必ずしも必要には見えませんでした。

血液学会のプレゼンテーションはこの臨床試験結果を更新したものです。

Accentiaはまた、新旧研究の現状をまとめたニュースリリースを発行しました。[3] 第2相臨床試験には臨床的に完全寛解し、ワクチン療法を受けた20名の濾胞性リンパ腫患者が含まれていました。研究者によると、元の研究の20名中9名の患者が未だに第1寛解期にあり、全生存率は95%とのことでした。NCIの第3相臨床試験では187名の患者のうち、77.5%が完全寛解に達するという結果を残しています。この臨床試験は現在治験登録継続中です。

コメント:

この結果は、重要なものであるという可能性があります。特定患者向けリンパ腫ワクチンは10年以上研究されていますが、未だにFDAの承認を得たものはありません。ワクチン療法への道は比較的骨の折れる集中的作業ですが、このアプローチに他に用途があるかどうかはこれからの判断です。

[1]Santos C, Stern L, Katz, et al. BiovaxID? vaccine therapy of follicular lymphoma in first remission: Long-term follow-up of a phase II trial and status of a controlled, randomized phase III trial. Blood. 2005;106:686a, abstract # 2441.
[2] Bendandi M, Gocke CD, Kobrin CB, et al. Complete molecular remission induced by patient[specific vaccination plus granulocyte-monocyte colony-stimulating factor against lymphoma. Nature Medicine . 1999;5:1171-1177.
[3] Biovax?, personalized anti-cancer vaccine from Biovest International, proguces long term clinical remission and 95% survival in patients with follicular non-Hodgkin’s lymphoma in phase 2 clinical trial. Tampa, Fla. (Business Wire) Jan 10, 2006. http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c= 188615&p= irol-news


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翻訳担当者 早川康道 

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

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