ゼヴァリン[Zevalin]/進行性マントル細胞リンパ腫の初回強化療法として使用した場合に効果的なゼヴァリン

キャンサーコンサルタンツ
2006年6月

Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)が実施したE1499試験に参加した研究者らは、ステージⅡ-Ⅳのマントル細胞リンパ腫(MCL)の初回強化療法を目的としてゼヴァリンを使用することで、R-CHOPレジメンにより達成される反応率および反応の質が著しく向上することを報告した。これらの試験結果は第42回米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で発表された。

ゼヴァリンは同剤を数種の悪性血液腫瘍の治療レジメンにて異なる投与スケジュールで使用するいくつかの臨床試験において現在研究されている、放射性免疫治療薬である。

ECOGに参加した研究者らはE1499の研究結果について、過去に未治療であったステージⅡ-ⅣのMCL患者で評価可能な50人が4サイクルのR-CHOP療法の後に、ゼヴァリンによる強化療法を受けたと最近報告した(ゼヴァリンを投与された後44人が評価可能であった)。

  1. R-CHOP療法の後、14%の患者が完全寛解(CR)を達成し、58%が部分寛解(PR)を達成した。
  2. ゼヴァリンによる強化療法の後、R-CHOP療法で初期PRを達成した29人中12人の患者がCRを示した。
  3. ゼヴァリンによる強化療法の後、R-CHOP療法によって病状が安定していた3人の患者がPR(n=2)またはCR(n=1)を示した。
  4. ゼヴァリン投与後の最終反応は84%で、45%はCRを達成した。
  5. 発熱性好中球減少の発生は見られなかった。

研究者らは、過去に未治療であるステージⅡ-Ⅳのマントル細胞リンパ腫(MCL)の治療としてR-CHOP療法の後にゼヴァリンによる強化療法を実施した場合反応率が著しく向上し、R-CHOP療法を単独で実施した場合と比較すると反応率は3倍を越えたと結論付けた。継続したフォローアップによって、これら患者らの長期的結果に関する追加データが提供されるだろう。

参考文献:

Smith M, Chen H, Gordon L, et al. Phase II Study of Rituximab + CHOP followed by 90Y-Ibritumomab Tiuxetan in patents with Previously Untreated Mantle Cell Lymphoma: An Eastern Cooperative Oncology Group Study (E1499). Proceedings from the 42nd annual meeting of the American Society of Clinical Oncology. Atlanta, Ga. June 2006. Abstract # 7503.


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翻訳担当者 佐々木 了子

監修 真庭 理香(薬学)

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