FDAが多発性骨髄腫にイサツキシマブを承認
2020年3月2日、米国食品医薬品局(FDA)は、レナリドミドおよびプロテアソーム阻害薬などによる2回 以上の治療歴がある多発性骨髄腫の成人患者に対して、イサツキシマブ(販売名:SARCLISA、sanofi-aventis U.S.LLC社)をポマリドミドおよびデキサメタゾンとの併用療法で 承認した。
ICARIA-MM(NCT02990338)は、レナリドミドおよびプロテアソーム阻害薬など2回以上の治療歴がある再発難治性多発性骨髄腫患者307人を対象とした、第3相多施設多国籍ランダム化非盲検2群比較試験である。患者らは、イサツキシマブ+ポマリドミド+低用量デキサメタゾンを投与する群(Isa-Pd群、154人)と、ポマリドミド+低用量デキサメタゾンを投与する群(Pd群、153人)に1:1の割合で無作為に割り付けられた。
主要有効性評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、中央検査室データのMタンパクおよび国際骨髄腫ワーキンググループの基準を用いた中央放射線画像レビューに基づいて、独立委員会により評価された。Isa-Pd群では疾患進行あるいは死亡のリスクが40%減少し、PFSの改善がみられた(ハザード比0.596、95%信頼区間[CI]:0.44~0.81、p=0.0010)。PFS中央値はIsa-Pd群で11.53カ月であったのに対し(95%CI:8.94~13.9)、Pd群では6.47カ月であった(95%CI:4.47~8.28)。
最もよくみられた副作用(患者の20%以上に発現)は、好中球減少症、輸注反応、肺炎、上気道感染症、下痢であった。
イサツキシマブの推奨用量は週1回の10mg/kgの静脈内投与を4週間行い、その後疾患進行か許容できない毒性が現れるまで、隔週でポマリドミドおよびデキサメタゾンを併用する。
SACLISAの全処方情報はこちらを参照。
本審査にはFDAの評価を促進するために申請者が自発的に申請を行うAssessment Aidが使用された。本申請はFDAの目標期日の約3カ月前に承認された。
イサツキシマブはオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定された。FDA迅速承認プログラムに関する情報は、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム―医薬品およびバイオ医薬品」(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。
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