エロツズマブが再発多発性骨髄腫に対して有望な結果
キャンサーコンサルタンツ
再発性骨髄腫患者において、治験薬であるエロツズマブ+レブラミド(レナリドミド)および低用量のデキサメタゾンを用いた治療は、高い奏効率を示した。この第2相臨床試験の結果は、米国臨床腫瘍学会の2011年度年次総会にて発表された。
多発性骨髄腫は、体の免疫システムの構成要素である白血球のうち特殊なタイプの形質細胞の癌である。多発性骨髄腫の患者では、血液中尿中で検出される機能不全となった抗体量を増加させる異常な形質細胞の増殖が起こる。
エロツズマブは、正常の細胞においてはまれであるが、骨髄腫細胞においてよくみられるタンパク質(CS1糖タンパク)と結合する治験薬である。本薬剤を用いた治療は、免疫系が選択的に骨髄腫細胞を死滅させることを可能にする。
再発多発性骨髄腫の治療におけるエロツズマブの評価を行うため、研究者らは98例の患者を対象に第2相臨床試験を行った。治験参加者は、レブラミドおよび低用量のデキサメタゾンに加え高用量または低用量のエロツズマブ投与による治療を受けた。
- 全体として82%の患者に治療の反応が見られた。低用量エロツズマブの方が、高用量の場合より高い反応率を示した。
- 併用治療レジメンの重篤な副作用としては、血球数減少があげられた。
これらの結果はエロツズマブが再発多発性骨髄腫に対して有効であることを示唆している。本併用療法の第3相臨床試験が現在進行中である。
参考文献:
Richardson PGG, Moreau P, Jakubowiak AJ et al. Elotuzumab with lenalidomide and low-dose dexamethasone in patients with relapsed multiple myeloma: a randomized phase II study. Paper presented at: 2011 Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology; June 3-7, 2011; Chicago, IL. Abstract 8014.
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