ベンダムスチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾンの併用療法が再発・難治性の多発性骨髄腫患者で高い奏効率を示す

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 ベンダムスチン(トレアンダ[Treanda])+ボルテゾミブ(ベルケイド)+デキサメタゾンの併用療法が再発・難治性の多発性骨髄腫患者で高い奏効率を示すことが、Blood誌に掲載された第2相試験からわかった。

多発性骨髄腫は、身体の免疫システムの構成要素である白血球のうち特殊なタイプである形質細胞のがんである。多発性骨髄腫患者では、異常な形質細胞数が増加し、機能をもたない抗体が増加し、血液中や尿中に検出されることがある。レナリドミド(レブラミド)やボルテゾミブに不応性(もしくは抵抗性)となった多発性骨髄腫患者では治療選択肢が限られる。このような患者に行う標準治療がないため、通常、予後不良となり、全生存期間中央値は9カ月である。

ベンダムスチンは、別々の経路からがん細胞を攻撃する2種類の物質の活性を併せ持つ化学療法薬であり、再発非ホジキンリンパ腫(NHL)および慢性リンパ性白血病(CLL)の治療薬として承認されている。ベンダムスチンは数十年間にわたり欧州で広く使用されてきたが、2008年になってはじめて米国で使用可能となった。同薬は、多発性骨髄腫をはじめ、他の種類のがんにおける使用についても現在評価が行われている。

この第2相試験は、オーストリアおよびチェコ共和国から参加している9施設の患者79人を対象として実施された。全患者の年齢中央値は64歳であり、ほとんどの患者はステージ134.2%)またはステージ239.2%)であった。患者は中央値で2回の前治療歴を有していた。治療では、ベンダムスチン70mg/m21日目と4日目に、ボルテゾミブ1.3mg/m21日目、4日目、8日目、11日目に静脈内投与され、デキサメタゾン20mg1日目、4日目、8日目、11日目に投与された。治療サイクルは4週間毎に繰り返され、最大8サイクルまで実施された。治療効果がみられない患者に対しては、4サイクル実施後に治療が中止された。

この併用療法の全奏効率は60.9%であり、MRminor response)を含めた場合は75.9%であった。12人の患者にCR(完全奏効)、16人の患者にVGPR(非常に良好な部分奏効)、20人の患者にPR(部分奏効)、12人の患者にMRminor response)が得られた。全奏効率は、ボルテゾミブ、レナリドミド、または併用による治療を以前に受けたことがある患者と同等であった。奏効までの期間は中央値で31日間であり、最良効果が得られるまでの期間は中央値で111日間であった。多くの場合、腫瘍を迅速に制御することが症状の早急な改善につながるため、これは注目に値する結果であった。無増悪生存期間は9.7カ月であり、全生存期間は25.6カ月であった。

患者の38%でグレード34の血小板減少症、23%でグレード35の感染症を合併したが、この併用療法は比較的良好な忍容性を示した。治療期間が長くなるにつれ、グレード2以上の多発性神経障害の合併率が上昇した(治療開始時の19%から終了時の52%まで)。他の副作用には、不眠症、倦怠感、悪心、便秘などがあった。

研究者らは、ベンダムスチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾンの併用療法は再発・難治性の多発性骨髄腫患者において効果的であり、良好な忍容性を示すと結論した。

参考文献:
Ludwig H, Kasparu H, Leitgeb C, et al. Bendamustine-bortezomib-dexamethasone is an active and well tolerated regimen in patients with relapsed or refractory multiple myeloma. Blood. Published early online November 13, 2013. doi: 10.1182/blood-2013-08-521468


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翻訳担当者 寺本瑞樹

監修 佐々木裕哉(血液内科/小倉記念病院)

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