FDA、タシグナをフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病治療薬に承認

原文
FOR IMMEDIATE RELEASE:2007年10月30日
Media Inquiries: Christopher DiFrancesco, 301-827-6242
Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA

米国食品医薬品局(FDA)はTasigna〔タシグナ〕(nirotinib〔ニロチニブ〕)カプセルを、イマチニブを含む他の治療に抵抗性あるいは不耐容のフィラデルフィア染色体陽性成人慢性骨髄性白血病(CML)患者への治療薬として承認した。イマチニブ(グリベック)はフィラデルフィア染色体陽性CMLと新たに診断された患者への治療薬として承認されている。 FDAの承認には、不整脈や突然死を引き起こす恐れのある起こりうる致死的な心臓障害に対する黒枠警告が含まれている。

CMLは全成人白血病の15%を占め、2007年には約4,500人が新たにCMLと診断されるであろう。フィラデルフィア染色体と呼ばれる染色体異常が白血病細胞に見られ、CML患者の大多数に存在する。

「今回の承認でイマチニブ抵抗性または不耐容のCML患者にとって治療の選択肢が一つ増えることになります。しかし、タシグナに関連して起こりうる致死的な心臓障害があるため、患者は医師と相談すべきです。」とFDA科学および医学プログラムの副局長で、医薬品評価研究センター最高医療責任者兼局長代行のJanet Woodcock, M.D.氏は言う。

タシグナの有用性は進行中の臨床試験で観察された奏効率に基いており、奏効率は血球数の正常化と骨髄検査に関係している。これらの奏効持続期間を決定するため、患者のさらなる追跡調査が必要である。

患者は食事と一緒にタシグナを服用しないようにし、グレープフルーツ製品の摂取を避けることで心臓障害の可能性を軽減できる。また、タシグナ服用時に心臓障害を引き起こす恐れのある他の薬剤を避けることについて医師や医療従事者に相談すべきである。

血中カリウムまたはマグネシウム濃度の低い患者はタシグナを服用してはいけない。

最もよく見られる副作用には血球減少、発疹、頭痛、吐き気、掻痒(かゆみ)があり、他に起こりうる重篤な副作用は肝臓障害、液体貯留、膵炎である。

女性はタシグナ服用中は妊娠を避けるべきである。妊娠中の女性は、タシグナは胎児に影響を与える恐れがあると勧告される。授乳中の母親は、タシグナ服用中は子供に母乳を与えないようにしなければならない。

タシグナはノバルティスファーマ社(ニュージャージー州イースト・ハノーバー)が製造している。

吉田加奈子  訳
林 正樹 監修 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

白血病に関連する記事

高リスク慢性リンパ性白血病に3剤併用AVO療法は有望の画像

高リスク慢性リンパ性白血病に3剤併用AVO療法は有望

ダナファーバーがん研究所の研究者らは、特にTP53異常を持つ高リスク慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対する治療における有望な進歩を発表した。これは、高リスクCLLにおける期間限定の3...
米国血液学会ASH2024:3剤併用療法は複数の白血病で高い奏効率を示す他の画像

米国血液学会ASH2024:3剤併用療法は複数の白血病で高い奏効率を示す他

3件の臨床試験で測定可能残存病変の陰性化および全奏効率に関する良好な結果が得られた抄録:216、219、1011
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが主導した3件...
米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認の画像

米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認

有効性は、KMT2A転座を有する再発または難治性(R/R)急性白血病の成人および小児患者104人(生後30日以上)を対象とした非盲検多施設共同試験(SNDX-5613-0700、NCT0406...
米FDAが新たに診断された慢性骨髄性白血病(CML)にアシミニブを迅速承認の画像

米FDAが新たに診断された慢性骨髄性白血病(CML)にアシミニブを迅速承認

2024年10月29日、米国食品医薬品局(FDA)は、慢性期(CP)のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML)と新たに診断された成人患者を対象に、アシミニブ(販売名...