再発急性骨髄性白血病にニボルマブとアザシチジンの併用が有望ー2017年1月
MDアンダーソン OncoLog 2017年1月号(Volume 62 / Issue 1)
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再発急性骨髄性白血病にニボルマブとアザシチジンの併用が有望
前治療に不応となった急性骨髄性白血病(AML)の一部の患者では、アザシチジンを用いた標準サルベージ療法に免疫療法薬ニボルマブを追加投与することにより効果がもたらされる可能性がある。テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターで実施中の臨床試験(2014-0861)の中間解析で、ニボルマブ+アザシチジン併用により、奏効率および全生存期間中央値が改善されたという有望な結果が示された。
MDアンダーソンの研究グループでは以前、エピジェネティック薬であるアザシチジンあるいはデシタビンによる治療を受けた患者において治療抵抗性が生じ全生存期間が不良であったことについて、PD-1(プログラム細胞死タンパク質1: programmed cell death protein 1)などの免疫チェックポイントタンパク質の発現増加が関わっていることを示唆する結果を得ていた。この結果に基づけば、PD-1を阻害するニボルマブは治療抵抗性の克服に寄与し、奏効率および生存期間の改善をもたらす可能性がある。
「この試験では、再発AML患者におけるアザシチジン+ニボルマブ併用の奏効率は34%と、これまで示されてきたアザシチジン単剤療法の奏効率12~15%と比較して良好な成績を収めました。さらに、22%の患者で完全寛解が達成され、その期間は1人を除き7カ月を超えています」と白血病科助教であるNaval Daver医師は述べる。
アザシチジン+ニボルマブ併用に関する今回の単群第2相試験では、53人の患者が生存期間解析に適格とされ、これらの患者における全生存期間中央値は6.0カ月であった。一方、アザシチジン単剤によるサルベージ療法を受けた、過去のAML患者コホートにおける全生存期間中央値は4.1カ月であった。また、この第2相試験では、1コースのみの治療歴をもつ患者の全生存期間中央値は9.3カ月であり、以前に同様の治療歴をもつ患者において示されたアザシチジンを含むサルベージ療法による 全生存期間中央値4.5カ月よりも良好であった。
「奏効がどれくらい持続するか、全生存期間がどれくらい改善されるかを確かめるためには、さらに長期にわたる経過観察が必要です。今後の生存曲線を観察することにより、奏効が認められた患者が長期生存を達成できるかどうか確かめていくことが特に重要となるでしょう。固形癌における免疫チェックポイント阻害療法の主たる利益は、長期生存なのです」とDaver医師は述べる。
今回の試験に参加した1人の患者が肺炎と喉頭蓋炎により死亡した。それ以外の有害事象は、腎炎、皮疹、大腸炎などであり、全身性ステロイド剤を用いて管理した。
Daver医師らは、今回の中間解析結果を2016年12月、第58回米国血液学会年次総会で発表した。
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