治療歴のない慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療にオファツムマブとクロラムブシルの併用を承認
キャンサーコンサルタンツ
米国食品医薬品局(FDA)は、治療歴がなくフルダラビンベースの治療が適切でないと考えられる慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対する治療として、オファツムマブ(アーゼラ)のクロラムブシル[chlorambucil]との併用について生物製剤追加承認申請(sBLA)を承認した。
CLLは成人の白血病のうち最も多くみられるものである。アメリカ癌協会によると、今年、約15,000人がCLLと診断され、4,580人がCLLで死亡すると推定される。現在、米国には約95,000人のCLL患者がいる。
CLLは異型リンパ球の産生を特徴とする疾患である。リンパ球はB細胞およびT細胞として存在する分化した免疫細胞である。B細胞とT細胞は骨髄で産生され、それぞれに特有の機能によって感染に対して抵抗する。CLLの症例の大半は正常よりもはるかに寿命が長い成熟B細胞を有する。B細胞は血液、骨髄、リンパ節および脾臓に蓄積するため、それらの部位で過剰となり、血液および免疫細胞の形成と機能が抑制される。さらに、腫瘍性のリンパ球自体は正常に機能しないため、感染への抵抗力がいっそう低下する。この疾患は徐々に悪化する傾向がある。
オファツムマブは、B細胞の表面にみられるCD20という分子を標的にするモノクローナル抗体である。
今回の承認はCOMPLEMENT1と呼ばれる第2相試験に基づくものである。このランダム化非盲検多施設共同試験は、加齢または合併症によりフルダラビンベースの治療が適切でないと考えられる患者447人を対象とし、オファツムマブ+クロラムブシル併用療法群とクロラムブシル単剤療法群に無作為に割り付けた。試験の結果、オファツムマブ+クロラムブシル併用療法群の無増悪生存期間(PFS)の中央値は22.4カ月となり、クロラムブシル単剤療法群(13.1カ月)と比較して統計的に有意な改善がみられた。
副作用の大半は両群ともグレード2以下であった。
オファツムマブ+クロラムブシル併用療法群で最も多くみられた副作用(全体の5%以上でみられ、対照群よりも2%以上多くみられたもの)は、投与時反応、好中球減少症、無力症、頭痛、白血球減少症、単純ヘルペス、下気道感染、関節痛および上腹部痛であった。オファツムマブ投与患者の67%に投与時反応の症状が1つまたは複数みられ、10%にグレード3以上の投与時反応がみられた。
本ランダム化試験の結果は臨床的有用性を検証するのに十分なものであったため、オファツムマブは迅速承認から通常の承認へ変更された。
参考文献
Genmab and GSK press release: GSK and Genmab receive FDA approval for Arzerra® (ofatumumab) as first-line treatment in combination with chlorambucil for patients with Chronic Lymphocytic Leukaemia (CLL) for whom fludarabine-based therapy is considered inappropriate
Available at:http://www.gsk.com/media/press-releases/2014/gsk-and-genmab-receive-fda-approval-for-arzerra-ofatumumab.htmlAccessed April 25, 2014.
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