オビヌツズマブ+クロラムブシルの併用は慢性リンパ性白血病高齢患者の転帰改善

キャンサーコンサルタンツ

慢性リンパ性白血病(CLL)と他の健康問題を抱える高齢患者には、オビヌツズマブ[obinutuzumab](Gazyva)およびクロラムブシル[chlorambucil]の併用による初期治療が、リツキシマブ(リツキサン)とクロラムブシルの併用治療に比べより効果的であった。この結果は、2013年アメリカ血液学会(ASH)年次総会で発表された。

CLLは進行が緩慢な、血液と骨髄の疾患で、米国人成人では2番目に多い白血病の病型である。2013年、米国ではおよそ15,680人が新たに慢性リンパ性白血病と診断された。

2013年11月に承認されたオビヌツズマブは、免疫系における特定の細胞が癌細胞を攻撃する際に補助として働く。オビヌツズマブは他のCLL治療薬であるクロラムブシルとの併用で使われる薬剤である。

オビヌツズマブ+クロラムブシルの併用と他の併用療法であるリツキシマブ+クロラムブシルを比較するため、研究者は第3相臨床試験を行った。試験はCLLの他にも健康問題のある高齢患者781人を対象に行った。

  • 癌の無増悪生存期間の中央値は、オビヌツズマブ+クロラムブシル併用群では27カ月、リツキシマブ+クロラムブシル併用群では15カ月であった。
  • 全生存率の結論を導き出すには早すぎるが、オビヌツズマブ+クロラムブシル併用群が今のところ良好である。
  • オビヌツズマブ+クロラムブシルの副作用は、注入関連反応および、好中球減少症(白血球数の減少)である。

結論として、CLLと他の健康問題を抱える高齢患者の初期治療には、オビヌツズマブ+クロラムブシルの併用が、リツキシマブ+クロラムブシルの併用に比べより効果的であるとみられる。

参考文献:

Goede V, Fischer K, Busche R et al. Head-To-Head Comparison Of Obinutuzumab (GA101) Plus Chlorambucil (Clb) Versus Rituximab Plus Clb In Patients With Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) and Co-Existing Medical Conditions (Comorbidities): Final Stage 2 Results Of The CLL11 Trial. Presented at the 55th ASH Annual Meeting and Exposition. New Orleans, LA. December 7-10, 2013. Abstract 6.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 林 さやか

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

白血病に関連する記事

骨髄性悪性腫瘍の精密医療による治療:NIH臨床試験の画像

骨髄性悪性腫瘍の精密医療による治療:NIH臨床試験

国立衛生研究所 (NIH) は、急性骨髄性白血病 (AML) および骨髄異形成症候群 (MDS) 患者の腫瘍細胞における特定の遺伝子変化を標的とした治療薬の新たな組み合わせに関して、概...
再発/難治性の若年性骨髄単球性白血病にトラメチニブが有望の画像

再発/難治性の若年性骨髄単球性白血病にトラメチニブが有望

MEK阻害薬トラメチニブ(販売名:​​メキニスト)は、第2相臨床試験に登録された再発または難治性の若年性骨髄単球性白血病(JMML)の小児患者に有効な治療薬であり、10人中7人が中央値...
白血病(B-ALL)に新規CAR-T細胞療法obe-celが有望:ASCOの画像

白血病(B-ALL)に新規CAR-T細胞療法obe-celが有望:ASCO

MDアンダーソンがんセンター特集:臨床試験の結果で新たな治療法が一部の患者にとって幹細胞移植や長期治療の必要性を減らす可能性を示唆アブストラクト:6504、 6507テ...
白血病(AML)の併用療法でベネトクラクス投与期間を短縮しても効果は同等:ASCOの画像

白血病(AML)の併用療法でベネトクラクス投与期間を短縮しても効果は同等:ASCO

MDアンダーソンがんセンター特集:臨床試験の結果、新たな治療法が一部の患者にとって幹細胞移植や長期治療の必要性を減らす可能性を示唆アブストラクト:6504、 6507テ...