Vidazaを使用した化学療法が高齢者急性骨髄性白血病に有効

キャンサーコンサルタンツ
2009年12月

高齢者急性骨髄性白血病患者、もしくは強化療法が不適の急性骨髄性白血病患者を対象に、Vidaza (アザシチジン) を用いた化学療法を行った場合、奏効率が21%、治療後の生存期間が1年間であったとフランスの研究者らが発表した。この第2相臨床試験の詳細は2009年12月初旬にニューオリンズで開催された米国血液学会(ASH)総会で報告された。

Vidazaは米国食品医薬品局(FDA)により骨髄異形性症候群(MDS)の治療用に認可されている。強化化学療法や幹細胞移植に不適な合併症の罹患率が高いため、ほとんどの高齢者急性骨髄性白血病患者は緩和療法を受ける。また以前にも、The Western Pennsylvania Cancer Instituteの研究者らが、Vidazaが効果的な代替緩和療法となる可能性を報告している。

今回の臨床試験では、2004年から2008年の間に138人の急性骨髄性白血病患者が、未承認薬の例外的給付措置(compassionate basis)としてVidazaの投与を受けた。全患者は強化化学療法不適とみなされた。これらの患者の年齢の中央値は73才、最高齢の患者は87才であった。15%の患者は、65才未満であるが強化療法不適であった。追跡期間中央値は約1年であった。

完全奏効率は16%であった。
部分奏効率は5%であった。
25人の患者では生存期間の改善に関わる血液学的改善が見られた。
奏効後の無進行期間の中央値は7.6カ月であった。
1年および2年全生存率は、ぞれぞれ40%、18%であった。
高い白血球数および細胞遺伝学的異常は生存期間の短さと関連していた。
33人の患者が臨床試験中に入院を希望した。
76才以上の患者の生存率は、75才以下の患者の生存率と類似していた。

コメント:これらのデータから、Vidazaは強化療法に耐えられない急性骨髄性白血病患者にとって有効な緩和療法であるといえる。

参考文献:
[1] Thepot S, Itzykson R, Seegers V, et al. Azacytidine (AZA) as first line therapy in AML: Results of the French ATU Program. Blood. 2009;114:347, abstract number 843.


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翻訳担当者 寺澤多恵

監修 北村 裕太(農学/医学生)

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