イノツズマブ+ブリナツモマブ併用mini-Hyper-CVD療法は、再発ALL生存率を改善

MDアンダーソンがんセンター

再発・難治性の急性リンパ芽球性白血病(ALL)の成人患者は、これまで強力な化学療法を受けても予後不良であった。Hagop Kantarjian医師が率いる研究チームは、第2相試験においてイノツズマブ オゾガマイシンを用いた低用量のmini-Hyper-CVD化学療法にブリナツモマブを追加することを検討した。この試験では、本併用療法がALL患者において安全かつ有効であることが示された。110人の患者において、本併用療法は83%の完全奏効率を示し、82%の患者で測定可能な残存病変がないことが確認された。追跡期間中央値48カ月時点で、全生存期間(OS)中央値は17カ月、3年OS率は40%であった。

Mini-Hyper-CVD療法とイノツズマブのみでのOS率は34%で、ブリナツモマブの追加投与により3年OS率は54%に向上した。これらの長期追跡データは、本併用療法の安全性と有効性を確認し、ブリナツモマブがさらに転帰を改善する可能性を示唆している。詳細は Journal of Hematology & Oncology誌に掲載されている。
MD アンダーソンがんセンター研究ハイライト2023 年5月10日号より)

【テキサス大学 MD アンダーソンがんセンター研究ハイライト】では、がん治療、研究、予防における最新の画期的な成果が紹介されています。これらの進歩は、MD アンダーソンの世界をリードする臨床医と科学者の間のシームレスなコラボレーションによって可能となり、研究室から臨床現場へ、そしてまた研究室から発見がもたらされます。
最新の開発には、急性リンパ芽球性白血病の併用療法、未分化甲状腺がんの進展に関する新たな洞察、  PTEN/p53欠損前立腺がんに対する有望な新しい治療アプローチ、がん細胞を検出するための新しい汎種人工知能モデル、ネオアジュバントなどが含まれます。腎臓がんの無病生存期間を改善するための併用療法、急性骨髄性白血病の治療抵抗性を克服するための併用療法、免疫療法の治療反応を予測するためのバイオインフォマティクスツールなどです。

  • 監訳 喜安純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)
  • 翻訳担当者 河合加奈
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  • 原文掲載日 2023/05/10

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