Lumiliximab・FCR併用は再発後の慢性リンパ球性白血病(CLL)に有望

キャンサーコンサルタンツ
2008年6月

lumiliximab〔ルミリキシマブ〕、フルダラビン、シクロホスファミド及びリツキシマブ(L-FCR)併用療法が、再発後の慢性リンパ球性白血病患者(CLL)の治療において効果があることがM.D.アンダーソンがんセンターの研究者らによって報告された。この第1/2相臨床試験の詳細は、5月30日~6月2日までシカゴで開催されたASCO2008年次総会で発表された。

Lumiliximabは抗CD23抗体で、再発後の慢性リンパ球性白血病(CLL)患者に対して試験中である。FDAは、Biogen Idec社のlumiliximabをCLLに対する治療薬として、オーファン・ドラッグ及び優先審査の対象に指定した。Biogen Idec社は、再発又は一次治療が無効であったCLL患者を対象に、lumiliximab及びFCR併用療法とFCR療法を比較する臨床試験を始めたところである。

2008年ASCO年次総会において、M.D.アンダーソンがんセンターの研究者らは、再発CLL患者31例に対してlumiliximab及びFCRを投与し、完全奏効(CR)率は52%、部分奏効(PR)率は13%であったと報告した[1]。無増悪生存期間(PFS)の中央値は19ヵ月であった。奏効例における無増悪生存期間(PFS)の中央値は23ヵ月であった。著者らは、lumiliximab及びFCRを併用した場合の安全性プロファイルは、FCRのみの場合と類似していると示唆した。

コメント:

再発慢性リンパ球性白血病(CLL)患者における完全奏効(CR)率52%は大きな成果であり、現在実施中のランダム化試験の根拠となりうる。

参考文献:

[1] Byrd JC, Castro JE, Flinn IW, et al. Lumiliximab in combination with FCR for the treatment of relapsed chronic lymphocytic leukemia (CLL): results from a phase I/II multicenter study. Journal of Clinical Oncology. 2008;25: abstract 7003.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 千種葉月

監修 林 正樹(血液・腫瘍医)

原文を見る

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

白血病に関連する記事

再発/難治性の若年性骨髄単球性白血病にトラメチニブが有望の画像

再発/難治性の若年性骨髄単球性白血病にトラメチニブが有望

MEK阻害薬トラメチニブ(販売名:​​メキニスト)は、第2相臨床試験に登録された再発または難治性の若年性骨髄単球性白血病(JMML)の小児患者に有効な治療薬であり、10人中7人が中央値...
白血病(B-ALL)に新規CAR-T細胞療法obe-celが有望:ASCOの画像

白血病(B-ALL)に新規CAR-T細胞療法obe-celが有望:ASCO

MDアンダーソンがんセンター特集:臨床試験の結果で新たな治療法が一部の患者にとって幹細胞移植や長期治療の必要性を減らす可能性を示唆アブストラクト:6504、 6507テ...
白血病(AML)の併用療法でベネトクラクス投与期間を短縮しても効果は同等:ASCOの画像

白血病(AML)の併用療法でベネトクラクス投与期間を短縮しても効果は同等:ASCO

MDアンダーソンがんセンター特集:臨床試験の結果、新たな治療法が一部の患者にとって幹細胞移植や長期治療の必要性を減らす可能性を示唆アブストラクト:6504、 6507テ...
【ASCO2024年次総会】アシミニブは新規診断白血病(CML)の治療選択肢として有望の画像

【ASCO2024年次総会】アシミニブは新規診断白血病(CML)の治療選択肢として有望

ASCOの見解(引用)「アシミニブ(販売名:セムブリックス)は、現在の標準治療である分子標的治療薬と比較して優れた有効性を示し、有害事象、投薬の中断および中止が少なく、安全性プ...