FDAが白血病治療にErwinaze〔エルウィナーゼ〕を承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2011年11月18日
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FDAが白血病治療にErwinaze〔エルウィナーゼ〕を承認
本日、米国食品医薬品局(FDA)は、急性リンパ球性白血病(ALL)の治療薬である大腸菌由来のアスパラギナーゼとペグアスパラガーゼ化学療法剤に対してアレルギー(過敏症)を発症したALL患者の治療に、Erwinaze 〔エルウィナーゼ〕(Erwinia chrysanthemi 由来のアスパラギナーゼ)を承認した。
ALLは、白血球の一種であるリンパ球が骨髄で過剰に産生される癌である。白血球は、身体が感染に対抗するのを助けるものであり、骨髄で産生される。
エルウィナーゼは週3回筋肉注射され、全ての細胞の増殖に必須である血中体タンパク質構成要素(アミノ酸の一種のアスパラギン)の一つを分解することで作用する。白血病細胞はこのタンパク質構成要素を産生することができない。エルウィナーゼで患者を治療すると、白血病細胞は死滅する。正常ヒト細胞は、必要に応じて生合成によりアスパラギンを十分に産生することができ、エルウィナーゼ治療に影響されない。
「エルウィナーゼの承認は、満たされていない医学的ニーズを伴う限定された患者集団のための薬剤承認に対して、新たな試験の評価項目を用いることでFDAが尽力していることを明確に示すものである」と、 FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur 医師は述べた。
エルウィナーゼの安全性と有効性は、58人の患者を対象とした臨床試験で評価された。追加の安全性データは、843人が登録しているアクセス拡大プログラムであるErwinaze Master Treatment Protocolより収集された。両試験の患者は、大腸菌由来のアスパラギナーゼとペグアスパラガーゼをアレルギー反応により継続できなかった。
有効性を裏付ける試験では、アスパラギナーゼ活性レベルを維持した患者比率の測定を主要転帰(エンドポイント)とした。活性レベルは白血病コントロールと生存の改善と相関する。評価可能な全ての患者は、事前に定義した投与後48〜72時間におけるアスパラギナーゼ活性の閾値を維持していることが示された。
エルウィナーゼ治療関連副反応には、重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)や膵炎、血中肝酵素の高値(トランスアミナーゼとビリルビンの異常値)、血液凝固、出血、悪心、嘔吐、高血糖が含まれる。
エルウィナーゼの承認以前から、ALL患者を治療するためにFDAにより承認された2つのアスパラギン特異的酵素生成物-Elspar〔エルスパー〕(アスパラギナーゼ注射)とOncaspar〔オンカスパール〕(ペグアスパラガーゼ)-が存在した。両製剤はいずれも大腸菌由来である。
エルウィナーゼは希少医薬品として指定されており、つまり米国でこの疾患が発症しているのは200,000人に満たないことを示している。
エルウィナーゼは、ペンシルべニア州 LanghorneのEUSA Pharma社が製造している。
詳細については下記も参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products(血液腫瘍製品室)
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)
NCI: Adult Acute Lymphoblastic Leukemia(成人急性リンパ球性白血病)
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菊池 愛 訳
吉原 哲 (血液内科・造血幹細胞移植/兵庫医科大学病院)監修
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