女性が気をつけたい婦人科がんの10の症状

MDアンダーソンの専門医が勧める女性が医師に受診すべき徴候
M.D.アンダーソンがんセンター
2012年1月5日

ヒューストン — 骨盤痛と腹部出血だけが婦人科癌の徴候ではない。1月は子宮頸癌啓発月間であり、その一貫としてMDアンダーソンがんセンターの専門医がこのほかに見過ごしやすい症状を伝えている。

アメリカでは毎年、8万人以上の女性が子宮頸癌子宮内膜癌(子宮体癌ともいう)、卵巣癌などの婦人科癌であると診断されている。

MDアンダーソン癌予防センター長のTherese Bevers医師が次のように語っている。「このような癌は症状がはっきりしないことが多いので、ほかの重篤ではない疾患と思い違いをする女性が多いのが残念です 。婦人科の癌はふつう、早期に発見されればほとんどが治療可能なので、何を探しているのかを正確に知っておくことが大切です」。

女性なら誰でも気をつけたい子宮頸癌をはじめとする婦人科癌の10の症状を下記にあげる。「このような症状が現れたら、特に更年期を過ぎている場合、医師に相談してください」とBevers氏は言う。

1. 足のむくみ 特に理由もないのに、片方の脚がむくんで見えたり、むくんでいる感じがすることはありますか。それは子宮頸癌の徴候かもしれません。ただふつう、痛みやおりもの、これ以外の子宮頸癌の症状がなければ、脚がむくんでいても癌の徴候ではありません。

2. 不正な性器出血 子宮内膜癌と診断された女性の90%以上が不正出血を経験します。閉経後の女性で出血があれば、たとえ少量であっても、必ず検査をしてもらいましょう。閉経前の女性の場合、月経中間期(月経と月経の間)の出血、大量の出血または性交時に出血があれば、医師の診察を受けましょう。

3. 原因不明の体重減少 食習慣や運動の習慣に変化がなく、体重が突然5キロ以上減少してしまったら、医師の診察を受けましょう。

4. 茶褐色のおりもの 茶褐色、褐色または匂いのあるおりものはふつう、感染症の兆しです。ただ、子宮頸癌または子宮内膜癌の徴候であることもあります。

5. 常時トイレに行きたい 常にトイレに行く必要があったり、膀胱を絶えず押されている感じがしますか。それは癌の徴候かもしれません。Bevers医師によれば、「特に膨満感、腹部痛、張りを伴うようであれば、注意が必要です」。

6. 食欲不振または常に満腹感がある 食欲がまったく湧かなかったり、いつも満腹感を感じていますか。そのような食欲の変化は卵巣癌の症状かもしれません。

7. 骨盤痛または腹部痛 腹部痛や、ガス、消化不良、圧迫感、膨満感および痙攣をはじめとする不快感が続いていることが、卵巣癌の前兆となることがあります。また、骨盤痛または圧迫感が続いていれば、子宮内膜癌の徴候であることがあります。

8. 腹部膨満感 女性は食後やたくさん飲んだりしたあと、特に月経期間中に膨満感を感じることがよくあります。ただ、2週間以上または月経が終わってもまだ膨満感が続くようであれば、卵巣癌の可能性があります。

9. 疲労が続く 疲れはふつう少し休めばとれるものです。しかし、仕事や余暇の活動に差し支える疲労が続くようであれば、医師の診察を受けましょう。

10. 消化不良または悪心が治らない 胃のむかつきがなかなか治りませんか。消化不良や吐き気がおさまらないことが、婦人科癌の徴候であることも時にあります。念のために診察を受けましょう。

「このような症状がひとつふたつあるからといって、癌であるということではありません。ただ、その症状が2週間以上続くようであれば、医師に診てもらってください。結局、用心に越したことはありません」とBevers氏は話した。

女性の健康に関するこのほかの情報については、www.mdanderson.org/focusedにあります。

***********
ギボンズ京子 訳
勝俣範之  (腫瘍内科、乳癌、婦人科癌/日本医科大学武蔵小杉病院) 監修 
************


原文


【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

その他の女性のがんに関連する記事

HER2標的トラスツズマブ デルクステカンは複数がん種で強い抗腫瘍効果と持続的奏効ーASCO2023の画像

HER2標的トラスツズマブ デルクステカンは複数がん種で強い抗腫瘍効果と持続的奏効ーASCO2023

MDアンダーソンがんセンター(MDA)トラスツズマブ デルクステカンが治療困難ながんに新たな治療選択肢を提供する可能性

HER2を標的とした抗体薬物複合体であるトラスツズマブ デルクステ...
局所外用薬イミキモドは、HPV関連の外陰部病変に対して手術同様に有効の画像

局所外用薬イミキモドは、HPV関連の外陰部病変に対して手術同様に有効

一般的にヒトパピローマウイルス(HPV)に起因する前がん病変である、外陰部高悪性扁平上皮内病変(vHSILs)の一次治療において、局所イミキモドクリーム(販売名:ベセルナ)塗布が手術と同様に有効であることがわかった。 この結果は、2つの治療
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(更新)の画像

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(更新)

<目次> HPVワクチンとは何ですか。 どのような人がHPVワクチン接種を受けるべきですか。 HPVワクチンを何回接種する必要がありますか HPVワクチンはどのようにして効果を示しますか HPVワクチンはどのようにして作用しますか なぜほと
アベルマブが妊娠性絨毛腫瘍に有効な可能性の画像

アベルマブが妊娠性絨毛腫瘍に有効な可能性

ASCOの見解 「この臨床試験は、婦人科系希少がんに対する免疫療法を検証しました。アベルマブ(販売名:バベンチオ, EMD Serono, Inc.社)は、再発しなかった患者数、および単剤化学療法よりも低毒性であったことを踏まえた、今後のさ